（以下は、Tech Crunch及びBloombergのBaidu社のAIチャットボットに関する記事を要約したものであり、元の記事・内容については当社が独自に制作・発信しているものではございません、）
Baidu、OpenAIのChat GPTに対抗するAIチャットボットを発表
中国のGoogleと呼ばれるBaiduが検索エンジンに埋め込む予定
米中のテック大手がAI導入競争へ
中国検索大手Baiduが、OpenAIのChatGPT風AIチャットボットサービスを展開する予定だと複数メディアが報じている。（同社はコメントを控えている）
このツールの名称は未定で、Chat GPTのような会話形式の検索結果を得ることができ、3月に同社の検索サービスに組み込まれる予定とのこと。
OpenAIの人工知能ツールであるChatGPTは、11月の公開以来、数日で100万人以上のユーザーを集め、学校、オフィス、家庭におけるAIの役割についての議論を巻き起こしている。マイクロソフト社は数十億ドルを投じて実世界での応用を試みており、Buzzfeed社はコンテンツにChatGPTを取り入れる計画を発表している。
モバイル広告、動画、ソーシャルメディアなどの分野でライバルに遅れをとってきたBaiduとしては、ここでモバイル時代の成長を復活させ、巻き返しを図りたいところだ。同社はAI研究のほか、自律走行技術の開発も行っている。
同社以外にも複数の中国新興企業がジェネラティブAIを研究、投資家の注目を集めているようだ。
出所：Bloomberg: Chinese Search Giant Baidu to Launch ChatGPT-Style Bot
BaiduのChatGPT対抗馬発表が意味するものは？
中国検索最大手で、ロボットタクシーも開発するBaiduが、ChatGPTの対抗馬を独自に開発中。中国のAIパイオニアを自称する同社が、ChatGPTの中国語版対抗馬に名乗りを上げるのも当然だろう。
問題は、このツールの効果、そして、その限界がどこにあるのか、という点だ。
ここ数年、中国の技術開発の原動力となっているのが「デジタル主権」すなわち、自国の「デジタル運命」を管理する能力である。米国が対中国禁輸政策により、同国は半導体からAIの基礎研究まで、更なる技術的自立を求めるようになった。
また、中国の技術指導者や政治上層部は、AIを自国の生産性を高めるに活用したいと考えているようだ。ツールを通じたデータの流れの管理のみならず、現地の文化や政治をよりよく理解するAI製品を生み出すことも目指している。
The Wall Street Journalによると、3月発売予定の会話型ロボットは、まず同社の検索エンジンに統合される予定。そのため、チャットボットは主に中国語の検索結果を生成すると予想される。ただし、ディープラーニングモデルは中国語と英語の両方のデータソースで学習され、グレート・ファイアウォール（Great Firewall）という精巧なインターネット検閲の外側から得た情報も含まれる。
Baiduのチャットボットは間違いなく現地の規制や検閲ルールに従うことになる。同社がそういった制約と、ボットの自由度や創造性との線引きをどのように行っていくのか、注目に値する。
同サービスの成功は、ユーザーフィードバックによる継続的なデータトレーニングに依存する側面を持つ。つまり、利用者が増えれば増えるほど、AIアシスタントは人間への対応方法をよりよく理解できるようになる。
テキストから画像を生成するスタートアップ企業IMGCreatorの創業者兼CEOエラ・ジャン氏は、中国語のチャットボットは「中国はまだ比較的安い労働力を享受しているので、英語のものほど強い需要はなさそうだ」と予測する。高価なAIソフトウェアを購読し、そのソフトウェアを微調整してカスタマーサービス業務を遂行する代わりに、手頃な価格と利便性から人間のスタッフチームを雇用するだけという可能性もある。
人口がマイナス成長する時代になり、中国が労働力の優位性を徐々に失っていく中で、数年後には状況が変わっている可能性もある。
出所：Tech Crunch: Would Baidu’s answer to ChatGPT make a difference?
