(以下は、Insider Intelligence eMarketerのSNSプラットフォームに関するレポートを要約したものであり、元の記事・内容については当社が独自に制作・発信しているものではございません、)
レポート:ReelsやShortsがTikTokのリードに迫る
最新のビッグテック決算(2022年12月期)はソーシャルメディア大手にとっては厳しい結果となったが、TikTokから短編動画市場のシェアを奪おうとするMetaとGoogleの取り組みについて重要な最新情報が提供された。
YouTube ~Shortsにとっては序章~
Googleの短編動画は、厳しい第4四半期収益報告の中で、同社希望の光となった。
- YouTubeの広告収入は予想を大きく下回ったが、Shortsは1 日の再生回数が500億回と2022年第 1 四半期の300億回から大きく増加した。TikTokとの差別化に苦労してきたプラットフォームにとって、期待の持てる人気上昇といえるだろう。
- 米国の短編動画広告費は2023年に10.4%増加すると予想されるが、Shortsクリエイター向けの新しい収益分配プログラムは、YouTubeの収益をさらに圧迫する可能性がある。
- だが、そのプログラムこそがShorts最大の武器となりうる。TikTokのクリエイターは、不透明なクリエイターへの報酬をめぐって定期的にTikTokと衝突しており、YouTubeの明確なルールと高い報酬は既にクリエイターを惹きつけている。と同時に、TikTokの文化的影響力の大きさと視聴者数の多さは、クリエイターにとって同プラットフォームを外せない理由にもなっている。
2022-2023年 米国メディア別、総メディア広告費と成長率
フォーマット/メディア別、2022-2023年(10億ドル、変化率、全体に占める割合)
Reelsのたどる道
ReelsはFacebookとInstagramでアクセス可能だが、滞在時間ではまだTikTokとYouTubeの後塵を拝している。それでも、Metaは近い将来、Reelsの数字が伸びていくと予想している。
- Metaは第4四半期の報告書で、年末か2024年初めにはReelsの収支が同じになると予想している。現時点では、Instagramの新戦略を牽引しているにもかかわらず、Reelsはあまり収益を上げていないようだ。2022年第3四半期、InstagramとFacebookにおける広告インプレッションのうち、Reelsが占める割合はそれぞれ4.7%と1.9%に過ぎない。
- 書面上あまり良くないように見えるだろうが、フォロワーを集め、通常のInstagramユーザーをReelsの視聴者に変えようとするReelsにとって、広告の少なさは短期的には利点となり得る。Facebookによると、InstagramとFacebookの動画再生回数は、2022年で倍増しており、広告の少なさがユーザーに好まれることを示している。
TikTok~順風満帆とはいかない~
TikTokは順風満帆とはいかないようだ。現在はソーシャルメディアとデジタルビデオにおける支配的な地位を維持しているものの、その将来は決して安泰ではない。同プラットフォームkは主要市場においてその存続を脅かす政治的課題に直面しており、競合他社がその弱点に付け込もうとしている。
- 2022年末、中国との関係への懸念が熱を帯び、TikTokは米国政府のデバイスから禁止された。そうした措置はエスカレートしている。TikTokは、規制当局に事業を公開し、米国事業を再編するよう促された。
2023年TikTok普及率ランキング(上位10カ国)
全ソーシャルネットワークユーザーに占める割合(%)
出所:Insider Intelligence eMarketer “Reels and YouTube Shorts are creeping up on TikTok’s lead”