(以下は、MarTech Seriesの記事「TikTokとInstagramのトレンドから見る、ミレニアム世代とZ世代の新しい考え方」を元に要約、編集したものであり、元の記事・内容については当社が独自に制作・発信しているものではございません。)
ハリス・ポール社の思考型リーダーシップについての調査により、ソーシャルメディアの新しい意見や使い方が、価値観の変化やインターネットの将来の姿につながることが分かった。
ミレニアル世代(1981~2000初頭生まれ)とZ世代(1995~2000年代以降生まれ)は、 ダンスビデオではなく、キャリアプランのためにTikTokを利用する。インスタグラムでは友達を探すが、自分が見たものをそのまま信じたりはしない。
こうした新しい、そしてあまり知られていないソーシャルメディアのトレンドが、社会の価値観の根本的な変化を示していることが、前述の研究データから明らかになっている。
同調査では、社会の価値観の変化、そして、それがソーシャルメディアにおいてどう反映されるかを分析している。
「TikTokが単なるバイラルダンスだと思ったら大間違いです。若者は、情報収集、コミュニティの構築、公平性の育成など、より深い目的のためにTikTokを利用しています。
ソーシャルメディアに大きな変化が起きています。表面的な『いいね!』や過度な編集を施した写真から、本物志向と発見のための空間へとその存在意義が変遷しつつあります。
と、同社共同創設者のアビー・ルニー氏は語る。
この調査では、Z世代とミレニアル世代がオンライン上の交流に『リアル』を求めていることをメインテーマとし、ソーシャルメディアにおける5つの変化を指摘している。
1. Z世代は友達のアップデートを求めているのではなく、アルゴリズムに頼る
Z世代は、友達のアップデートを見るためではなく、情報を得たり、楽しんだり、メッセージを送ったりするためにソーシャルにアクセスする。
「自分のフィードは自分好みにパーソナライズされたコンテンツで満たされている」(Z世代の62%)
「アルゴリズムによって、利用したい、楽しみなコンテンツが増えた」(同65%)
これは、ベビーブーマー世代(1946~1964生まれ)やX世代(1965~1980生まれ)などの年配層が、フィードの大半を「友人やフォローしている人の更新」で構成していることとは対照的(それぞれ66%、57%)
2. TikTokは新しいGoogle
Z世代にとって、TikTokは検索と学習の「中心的存在」となっている。
TikTokは、Z世代がカルチャー関連のコンテンツを検索する際にまず最初に利用するプラットフォームであり、TikTok(34%)が、YouTube(24%)、Google(19%)、Instagram(17%)を上回っている。
ミレニアルまでの世代が、依然としてGoogleを検索の第一プラットフォームとしているのとは対照的(ベビーブーマー世代 57%、X世代 47%、ミレニアル世代 40%)。
3. TikTokは秘密の学習エンジン
Z世代の大半が、何かを学ぶためにTikTokを定期的に利用していると回答している(63%)。
学習対象は、食べ物、ファッション、音楽といったソーシャルメディアの枠を超え、キャリアプラン(37%)、中小/ローカルビジネス(36%)、政治(28%)、社会構造/DEI(27%)、さらにはSTEMカテゴリー(20%)にまで及ぶ。
また、Z世代とミレニアル世代の81%が、「継続的な学習が人生の経済的安定を生み出すための中核」と答えているように、非常に重要なこと。
4. 表面的なものでなく、現実を
世代とミレニアル世代の5人に4人(80%)は、ソーシャルメディア上のライフスタイルのほとんどが偽物あるいは完璧過ぎ、と考えており、4分の3(73%)が、ソーシャルメディア上でアピールするような生活をしている人が本当にいるなら証拠を見せてほしいと考えている。
また、彼らの多くが、ソーシャルメディアで共有される情報の裏付けを取ることを望み(39%)、フィルタリングされた画像やコンテンツを望まない(24%)と述べている。
5. ソーシャルメディアは若者だけの文化ではなく、全世代の文化
アメリカ人全体のうち、85%が「ソーシャルメディアは若者だけのものではない」と回答した。
さらに、Z世代とミレニアル世代の78%が、「自分より年配の人が作ったコンテンツから多くを学んだ」と答えている。
そしてなんと、Z世代とミレニアル世代の3分の2(66%)が、「年長者のビデオを見るのが好きだ」と答えている。
この調査では、こうした価値観の変化の背景についても考察している。
レニー氏は、これらの懸念が、世代間の価値観の違いを生み、Z世代とミレニアル世代にとって、それは未来を切り開く方法を意味していると語った。
- 学習は安定の元
「学び続けることが経済的な安定を得るために重要」 (Z世代78%、ミレニアル世代82%、41歳以上66%)
- 表現の源としての流動性
4人に3人以上(77%)が、「いろいろな自分を表現できることが重要」と回答 (Z世代:79%、ミレニアル世代:77%、41歳以上:62%)
- 成長要因としての公平性
「人種、ジェンダーの公平性は、個人、経済、社会の成長に役立つ」(Z世代、78%、ミレニアル世代、82%)
こうしたサービスを作って活用したい、という思いが、インターネットをより3Dで没入感のある環境へと向かわせる、とレニー氏は述べている。
Z世代とミレニアル世代の74%が、「人工知能が芸術の未来をサポート・加速する」と予想し、67%がAIクリエイティブ・ツールの使用に関心を持っている。
今後、広告から没入型検索、オンライン・ペルソナなど、あらゆるものが変化していく。現在の積み重ねられた危機は、世代の価値観を変える動きを生み出している。