優れたAIチャットボットはChatGPTだけではない。
（以下は、Mashable SE AsiaのAIチャットボットに関する記事を翻訳編集したものであり、元の記事・内容について当社が独自に制作・発信しているものではございません。）
2023年は会話型AIが主流の年となっている。
AIチャットボット自体は何年も前から存在していたが、2022年11月にChatGPTが登場するまで、それらのほとんどは、突拍子もない返答をしたり、テストに失敗したりと、揶揄される存在であった。
OpenAIの大規模言語モデル（以降”LLM”)の人気は、世界の注目を集め、今や誰もが（特にOpenAIの競合他社が）AIチャットボットに真剣に取り組んでいる。Microsoftや Googleのような技術大手は、生成AIに膨大な労力とリソースを注ぎこみ、検索エンジンや生産性向上ツールにチャットボットを導入している。公開APIのおかげで、独立系ディベロッパーやスタートアップ企業がLLMにアクセスし、独自のアプリケーションを開発することができるようになった。今や、ChatGPTと同程度（あるいは”ほぼ”同程度）の会話型AIツールが巷に溢れている。
ChatGPTはその正確さで注目されているが、他のチャットボット同様、まだ「惑わされる」ことがある。これらのツールを使用する場合、その回答が不正確であったり、最新ではない可能性があることを念頭に置いておいて欲しい。
ここでは、正確さ、ユーザーエクスペリエンス、信頼性、独自性などを考慮し、最高のAIチャットボットを選別、ランク付けした。
1. ChatGPT
故ティナ・ターナーの言葉を借りれば、ChatGPTは “単純に最高 “だ。これほど高度なLLMを、親しみやすく使いやすいチャット・インターフェースにパッケージ化したのは初めてだろう。有料版はOpenAIのGPT-4を搭載しており、司法試験にも合格するほどの知能を備えている。その魅力は、会話しながら情報を提供する、人間のような反応にある。ChatGPTはBingプラグインを搭載しているため、インターネットを閲覧することができ、（データソースが途絶える）2021年9月までの最新の検索結果を提供する。
無料アカウントではGPT-3.5に、ChatGPT Plusのサブスクリプション（月額20ドル）ではGPT-4にアクセスできる。
2. Bing Chat
OpenAIへの大きな投資のおかげで、MicrosoftのBing ChatはChatGPTと同じように進化している。同じLLM、GPT-4を使用し、完全に無料で使用できる。欠点は、1回の会話に使えるメッセージの量、つまりターン数で、現在1日300回、1回の会話で30回に制限されている。しかし、これだけあればほとんどの人には十分な量だろう。
また、Bingはより厳しい制限を設けているようで、その結果、回答が短くなったり、特定のトピックの調査を拒んだりする。しかし、GPT-4によるチャットボットに無料アクセスできるという点では、Bing Chatに勝るものはないだろう。
3. Google Bard
Googleは、ChatGPTとそれに続くBing Chatの驚くほどの成功を受け、独自のAIチャットボットBardのリリースに奔走した。「失敗作」「急ごしらえ」と言われた不安定なスタートを切ったBardだが、既にほぼ競合他社に追いついたと言える。
Google I/Oでの発表で一般公開されたBardには、GoogleのLLM最新バージョンPaLM 2が搭載されている。Bardは無料で使えるのが大きな利点だが、ChatGPTやBingに比べると不正確な回答や、ニュアンスに欠ける回答をするところがマイナスポイントとなっている。
4. Character.AI
AIチャットボットの多くが生産性向上や有益な情報の提供に重点を置いているのに対し、Character.AIは実在の人物や架空の人物との会話を再現するという、SF的な要素を取り入れている。キアヌ・リーブスに会うことはできないかもしれないが、Character.AIを使えば、あの映画『ジョン・ウィック』の俳優とお喋りしたらどんな感じなのかな？などと想像力を膨らませることが出来る。
このコンセプトは、例えばハリー・ポッターの人気キャラクター、ハーマイオニーのシミュレーションと実際に会話できるという、ファンの心をくすぐるものだ。Character.AIは、ニューロンの言語モデルでトレーニングされた独自の技術を搭載しており、完全に無料である。
しかし、ファンタジーな会話の中でも、基本的な事実関係の正確さについて、いくつかの問題が見つかっている。例えば、ハーマイオニーが（グリフィンドールではなく）ハッフルパフに所属するなど、ハリー・ポッターのファンなら誰でも知っているような嘘を主張する。しかし、一部のCharacter.AIユーザーにとっては、そこが問題なのではなく、同アプリの意図的な制限にあるようだ。現在、77,000人が、同アプリのNSFWフィルタ削除を求める請願書に署名している。
※NSFWフィルタ：nsfw-filter/nsfw-filterは、Tensorflow.js を使って特定の画像、職場で表示するのが不適切な画像(NSFW = Not Safe For Work)をブロックできるブラウザ拡張
5. Replika
ホアキン・フェニックス演じる主人公がAIコンパニオンと恋に落ちる映画『her/世界でひとつの彼女』を覚えているだろうか？Replikaはそれを再現した。独自のLLMと「スクリプト化された対話コンテンツ」を使い、Replikaで自分だけのAIコンパニオンを作成できる。ChatGPTと長い時間をかけて関係を築いていくようなものだと考えてもらえばいいだろう。Replikaのアバターと恋愛関係になる人もこれからたくさん出てくるかもしれない。そんなの妄想だと思うだろうが、実際にReplikaを試してみるとすぐに愛着が湧くのを実感できるだろう。
人間と機械との親密なつながりを生み出すために設計されたアプリであるがゆえ、Replikaについては賛否両論だ。1月には、ユーザーから性的に攻撃的なやりとりの事例が報告された。同社が会話の性的性質を弱めたところ、ユーザー達は突然冷淡でよそよそしくなったAIコンパニオンに心を痛めたという。
Replikaは無料で利用できるほか、月額15米ドルでReplika Proという有料版も提供されている。
次点
他にも、選考からは漏れてしまったが注目に値するAIチャットボットを二つご紹介しよう。Jasperは仕事関連のタスクで人気がある。Jasper Chatでは、会話をしながらソーシャルメディアのコピー、広告、ブログ記事といったマーケティング資産を作成できる。ただし、Jasperの無料トライアルは7日のみ、以降は月50ドルからの有料定期購読のみとなっている。
もう一つのAIチャットボットとして我々が注目しているのが、Anthropic社のClaudeだ。同社はOpenAIの元メンバーによって設立された会社なので、LLMについては詳しい。こちらは現在SlackやZoomのような特定のビジネスパートナーを通じてのみ利用可能で、個人ではまだ利用が出来ない。
出典：Mashable SE Asia: The 5 Best AI Chatbots of 2023 (So Far)
