Instagram、タグ付けされた投稿を自分のグリッドに置けるように──UGC・アンバサダー施策の「見せ方」はどう変わるか

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Instagramで、自分がタグ付けされた「他人の投稿」を、自分のプロフィールのグリッドに並べられるようになった。2026年9月10日にグローバルでの展開が始まった、ごく小さな追加機能だ。だがUGC(ユーザー生成コンテンツ)やアンバサダー施策を運用する側から見ると、意味は小さくない。これまで他人の投稿はストーリーズのハイライトやリポストで見せるしかなかったものが、プロフィールという一等地に置けるようになったからだ。

ただし、これは投稿の「複製」ではない。元の投稿は元の投稿者のアカウントに残ったままで、自分のグリッドには表示だけが借りられる。所有権も、消す権利も、元の投稿者に残る。この一点を外すと、活用の設計を丸ごと間違える。本記事では、現時点で確認できた仕様と公式に記載が見当たらない点をはっきり分けたうえで、ブランド側とクリエイター側それぞれから見て運用がどう変わるのかを整理する。

目次

9月10日に始まったのは、投稿を増やす機能ではなく「置き場所」を増やす機能

仕様に入る前に、前提を一つだけ押さえておきたい。これは「他人の投稿を自分のアカウントに取り込む」機能ではない。TechCrunchが9月10日に報じたところによれば、タグ付けされた投稿を自分のグリッドに追加しても、元の投稿は削除も複製もされない。追加したあとで気が変われば、いつでも自分のプロフィールから外せる。外しても、従来からある「タグ付けタブ」への表示は残ったままだ。

追加の入口は三つある。誰かにタグ付けされたときに届くDMの通知から追加する方法、タグ付けされた投稿そのものの三点メニューから追加する方法、そしてプロフィールのタグ付けタブでその投稿を長押しして追加する方法だ。Social Media Todayによれば、タグ付けされた投稿を表示すると「Add to grid(グリッドに追加)」という選択肢が現れる。

グリッドに並んだあとの見え方にも決まりがある。追加した投稿のサムネイルには右上に小さなタグのアイコンが付き、自分で投稿したものと見分けがつくようになっている。並び順は既定では新しい順で、2026年6月に提供されたグリッドの並べ替え機能を使えば手動で位置を動かせる。プロフィールの見た目を自分で決めさせる、という一連の流れの延長線上にある追加だといえる。

Instagram責任者のアダム・モセリ氏は、この発表にあたって「本日から展開を開始する。タグ付けされた投稿をグリッドに追加できるようになった。小さなことだが、プロフィールをもう少しコントロールできるようになるはずだ」という趣旨のコメントを添えたとGadget Bridgeが伝えている。本人が「小さなこと」と言っているとおり、派手なアップデートではない。それでも触れておく価値があるのは、この小ささが実務の側では効くからだ。

公式はどこまで説明したのか──確認できたことと、書かれていないこと

この機能について書かれた記事を読むとき、最初に確認しておきたいことがある。どこまでがInstagramの説明で、どこからが取材した媒体の観測なのか、という線引きだ。今回はそこが少し特殊な状態にある。

本稿の執筆にあたって、Instagramの公式ブログMeta NewsroomInstagramヘルプセンターを確認したが、この機能を正面から説明した公式記事は見つけられなかった。ヘルプセンターは検索結果が動的に生成される仕組みのため「存在しない」とまでは断定できないが、少なくとも本稿の時点では特定できていない。つまり現時点で一次情報にあたるのはモセリ氏本人の告知投稿であり、仕様の細部は各媒体がその発表と実機をもとに書いた記述に依拠している。

そのため、確認できたことと確認できなかったことは、はっきり分けて扱うべきだ。下表の左列は複数の媒体が一致して報じており、実機の挙動としても説明が揃っている項目。右列は、複数の記事を確認しても公式・媒体のいずれにも記載が見当たらなかった項目である。

複数媒体が一致して報じている内容 公式に記載が見当たらない点
タグ付けされた本人が自分で操作して追加する(自動では載らない) 投稿した側(タグ付けした側)に通知が届くのか
追加方法は三通り(DM通知/投稿の三点メニュー/タグ付けタブの長押し) 投稿した側が「グリッドに載せないでほしい」と拒否できるのか
元の投稿は複製も削除もされず、いつでもグリッドから外せる ビジネスアカウント・プロアカウントで同様に使えるのか
サムネイル右上のタグアイコンで自分の投稿と区別される 日本での提供状況・提供時期
2026年9月10日からiOS・Android向けにグローバルで順次展開 全アカウントに行き渡る時期の目安

もう一点、運用上見落とされやすい指摘がある。Tech Timesは、グリッドに追加した投稿が誰に見えるかは自分のアカウントの公開設定だけでなく元の投稿者の公開設定にも左右されるため、自分のフォロワーであっても見えない相手が出うると分析している。投稿がコピーされず参照として表示される仕組みから導かれる説明で、筋は通る。ただしこれは同媒体による分析であって、Instagramが公式に示した仕様説明として確認できたものではない。実務では「そうなりうる前提」で構えておくのが安全だろう。

日本での提供状況についても、現時点で言えることは限られる。英語圏の報道はいずれも「グローバルに展開中」と書いているものの、日本での提供有無や時期に触れた公式アナウンスも国内メディアの取材記事も、本稿の時点では確認できなかった。自社アカウントで使えるかどうかは、アプリを最新版に更新したうえで実機で確かめるのが確実だ。

UGCの見せ場が、ハイライトの奥からプロフィールの一等地へ

ここからが、マーケティングに関わる人にとっての本題になる。これまでブランドが自社アカウントでUGCを見せようとすると、選べる手はどれも一長一短だった。今回の追加は、その選択肢の並びに一つ新しい列を足す。

最も使われてきたのはストーリーズだ。タグ付けされた投稿はストーリーズに再シェアでき、ハイライトにまとめれば残せる。ただしハイライトはプロフィールの上部にあるとはいえ、開いて初めて中身が見える二段構えで、しかも縦一枚ずつ順に送る形になる。「たくさんの人が使っている」という量の印象を一目で伝える用途には向いていない。

リポスト系の外部アプリを使う手もあるが、画質が落ちたり枠やクレジットが入って見た目が崩れたりしやすく、そもそも他人の著作物を自社アカウントに再投稿する行為そのものに許諾の問題がついてまわる。コラボ投稿(共同投稿)は正攻法だが、これは投稿を公開する前に相手を招待して承認をもらう仕組みで、すでに世に出ている投稿を後から引き上げることはできない。

今回の機能が埋めるのは、ちょうどこの隙間だ。すでに公開されているタグ付き投稿を、後から、複製せずに、自社グリッドの好きな位置に並べられる。9枚並べれば、プロフィールを開いた瞬間に「この商品を実際に使っている人がこれだけいる」という量の手ざわりが伝わる。CREATORS POSTで取り上げたナノインフルエンサーへのギフティングでUGCが大きく増えたケースのように、投稿の数そのものが説得力になる施策とは相性がいい。

集め方の面でも意味がある。かつてUGCを集める定番は指定ハッシュタグでの投稿依頼だったが、Instagramが1投稿あたりのハッシュタグ数に上限を設けたSocial Media Todayの報道によれば従来の30個から5個へ)ように、ハッシュタグを起点にした導線は年々細くなっている。代わりに残っているのが「公式アカウントをタグ付けしてください」という依頼だ。その一言が、これまでは通知とタグ付けタブ止まりだったのに、これからはプロフィールの表舞台につながる。依頼のリターンが変わったぶん、依頼文そのものを設計し直す価値が出てくる。

もう一つ、広告との関係も押さえておきたい。クリエイターの投稿を広告として配信するSpark Ads型のUGC活用では、投稿を使うために権限の付与や事前の取り決めが必要になる。今回のグリッド追加は広告配信ではなく自社プロフィール上の表示にとどまるが、「他人がつくったものを自社の顔として見せる」という構図は同じだ。広告で当たり前に踏んでいる許諾の手続きを、オーガニックの表示だからといって省略してよい理由はない。

タグ付けされる側から見ると、露出と責任が同時に増える

ここまではブランド側の話をしてきたが、この機能はクリエイターやユーザーの側にも同じだけ影響する。むしろ、注意して見ておくべき点はこちら側に多い。

まず、露出面は確実に増える。一つのタイアップ投稿に複数のクリエイターがタグ付けされていれば、その全員が同じ投稿を自分のグリッドに並べられる。一本の制作物が、関わった人数ぶんのプロフィールに同時に置かれるわけだ。他方でいいねやコメントは元の投稿に集まり続けるので、見られた面の数と、数字として積み上がるエンゲージメントの置き場所がずれる。案件の成果をリーチで語るのか反応で語るのかによって、見える景色が変わる点は意識しておきたい。

プロフィールの中身が評価軸になるという流れとも、この変化はつながっている。フォロワー数だけでは価値が測れなくなったと繰り返し言われるなかで、グリッドは「この人が誰と何をしてきたか」を示す実績の棚に近づいてきた。誰かに撮ってもらった良い一枚や、ブランドとの仕事を自分の棚に並べ直せることには、素直に価値がある。

一方で、逆向きのリスクもある。自分がタグ付けされた投稿を、自分の意図とは無関係に相手のグリッドへ並べられる可能性が生まれた、ということでもあるからだ。前述のとおり、投稿した側に通知が届くのか、あるいは拒否できるのかは、公式に記載が見当たらない。過去の投稿が相手の最新キャンペーンの文脈に置かれ直す、といった事態も理屈のうえでは起こりうる。自分の投稿に誰をタグ付けし、誰にタグ付けを許可するかの設定は、一度見直しておく価値があるだろう。

そして、広告表記の問題がある。金銭や商品の提供を受けた投稿であれば、その投稿には広告である旨の表示が必要になる。日本では2023年10月1日に、いわゆるステルスマーケティングが景品表示法上の不当表示として指定され、規制の対象になった。制度の内容は消費者庁の解説ページにまとまっており、どのような場合に「事業者の表示」にあたるかの考え方は運用基準に示されている。

注意したいのは、この新機能そのものについて消費者庁が何らかの見解を示した事実は確認できない、という点だ。したがって「グリッドに追加したらどう扱われるか」を断定的に語ることはできない。ただ、投稿がタグ付けタブの奥から事業者のプロフィールの表側へ移るという変化は、その表示が誰に向けたどういう性格のものかという議論と無関係ではないはずだ。

だとすれば、実務でできる備えははっきりしている。元の投稿の側でタイアップである旨を明示しておく運用を、これまでどおり崩さないことだ。Instagramにはタイアップ投稿ラベルの仕組みが用意されており、投稿そのものに紐づく表示であれば、どこに並べ直されても一緒に移動する。個別の案件がどう評価されるかは、最終的には専門家に確認するのが確実だ。

走り出す前に決めておきたい、三つの線引き

新しい機能が出ると、まず使ってみてから考えたくなる。ただこの機能に関しては、扱うのが他人の著作物である以上、順番を逆にしたほうがいい。決めておくべきことは、多くない。

一つめは、許諾をいつ取るかだ。ギフティングやアンバサダー施策の依頼段階で「投稿時は公式アカウントのタグ付けをお願いします」と伝えているなら、そこに「いただいた投稿を弊社アカウントのプロフィールに掲載する場合があります」という一文を足しておく。事後に一件ずつ確認する手間が消え、相手にとっても心の準備ができる。投稿の著作権が元の投稿者にある事実は、この機能ができても何も変わらない。タグ付けされていることは、掲載してよいという合意とは別物だ。

二つめは、何を並べるかの基準だ。タグ付けされた投稿を機械的に全部載せると、グリッドは早晩ちぐはぐになる。世界観に合うか、画質や構図が一定以上か、写り込んでいる他社製品や第三者の顔に問題はないか。この三つくらいを担当者間で言語化しておけば、判断のぶれはかなり減る。リールからの直接的な商品タグ付けのように、Instagramはクリエイターの投稿を商流やブランドの導線に組み込む方向へ機能を足し続けている。取り込める範囲が広がるほど、選ぶ基準を持っているかどうかの差が出る。

三つめは、いつ下ろすかだ。キャンペーンが終わった投稿、情報が古くなった投稿、関係が終了したアンバサダーの投稿を、いつまで自社の顔に並べておくのか。グリッドから外しても元の投稿には何も起きないのだから、掲載期間をあらかじめ決めて棚卸しする運用にしておけば、後から気まずい相談をせずに済む。外す作業が軽いことは、この機能のいちばん扱いやすい性質でもある。

モセリ氏が「小さなこと」と呼んだとおり、これはアルゴリズムが変わるような話ではない。それでも、プロフィールという限られた面積に何を置けるかというルールが変わったことの意味は、面積が狭いぶんだけ大きい。自社のグリッドに、自分たちがつくったものだけを並べ続けるのか。それとも、自分たちの商品を選んだ人たちの視点を並べる場所として使うのか。ブランドが自分の顔をどう定義するかという問いが、機能の追加という形で静かに差し出されたと言っていい。


本記事は、株式会社TORIHADAが運営するクリエイターエコノミー専門メディア「CREATORS POST」がお届けしました。最新のマーケティング・クリエイター動向を、実務目線で発信しています。

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この記事はAIを活用して書いています。

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