クリエイター・エコノミーを牽引する25人(前編)

クリエイター・エコノミーを牽引する25人(前編)
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(以下、OBSERVER誌のクリエイター・エコノミー業界を牽引する25人についての記事を要約したものであり、元の記事・内容については当社が独自に制作・発信しているものではございません。尚、フォロワー等の数値は、2023年1月時点のものに更新しております。)

このリストでは、スーザン・ウォジスキ、コニー・チャン、ハミッシュ・マッケンジー、テルファー・クレメンス他、1000億ドル規模を誇るクリエイター・エコノミーのスター達が紹介されている。

クリエイター・エコノミーと聞くと、10年ほど前に登場したプラットフォームで、瞬く間に名声を得て、今や世界中で推定1000億ドルの産業を構成する、幸運な人々を思い浮かべるだろうか。

例えば、カビー・ラメ。
セネガルで生まれ、イタリアの小さな町で育った彼は、2020年初頭のパンデミック発生時、工場で働いていた。彼はTikTokに出会い、何度かの失敗を経て、世界を打ち負かす方法を発見した。
TikTokに溢れるライフハック動画をネタに、おどけた表情と手振りを使って黙々とそれらを笑い飛ばす。最近、彼はチャーリー・ダミリオを抜いてTikTokでのフォロワー数世界1となった。ロシアの人口よりも多い1億5400万人のフォロワーを抱える。

「クリエイターの台頭は、インターネットの普及以来、最も強烈な破壊力を持つ」といわれる。
その代表的な例がTikTok。魅力的なアルゴリズムにより、短期間で旧来のソーシャルメディアに取って代わっただけでなく、テレビから書籍出版まで幅広い産業に影響を与えるようになった。

ここでは、クリエイター・エコノミーを支える人々やプラットフォームに焦点を当てている。
有名、無名、様々な企業が出てくるが、いずれも、世界で最も活力に満ちた分野、クリエイターエコノミーの重要な一員であることは確かである。

Substack(サブスタック):クリス・ベスト、ハミッシュ・マッケンジー、ジャイラジ・セティ(共同創業者)

左上から時計回りにハミッシュ・マッケンジークリス・ベストジャイラジ・セティ
出所:Substack

サブスタックは小さな会社だが、すごい破壊力を持つ。大手メディア出版社から多くの作家が続々と独立、同社に移籍していったとのことだ。

同社は2017年に発足、2021年末には有料会員数100万人を達成。
「私たちがサブスタックを立ち上げたのは、素晴らしい文章には価値があり、何を読むかが重要だと信じているからです」と、共同創業者のハミッシュ・マッケンジーは語る。
アンドリーセン・ホロウィッツの支援を受け、最近レイオフが発表されるまで、飛躍的な成長を遂げてきた。
「サブスクリプションモデルは独立した作家にとって信じられないほどパワフルであることが証明されています。誰もが自分のメディア帝国を築くチャンスがある、私たちはそういった未来に期待しています」

YouTube:スーザン・ダイアン・ウォジスキ(CEO)

Courtesy YouTube

1998年9月、Google設立当時、共同創業者のセルゲイ・ブリンとラリー・ペイジはメンローパーク(カリフォルニア州)のガレージに「オフィス」を構えていた。そこをたまたま所有していたのがウォジスキ。当時の家賃は月1700ドルであった。
その後、ウォジスキはGoogleに入社、社員番号16番、マーケティング・マネージャーとなった。彼女が開発したGoogleアドセンスは売り上げがうなぎ上り、2014年初めにはGoogleが2006年に買収したYouTubeのCEOに就任した。
当時、YouTubeへのアクセスは月に約10億人程度だったが、現在は26億人以上、年間収益は約288億4000万ドルにまで成長した。

YouTubeを通じてコンテンツを販売するクリエイターの数は、さまざまな推計があるが、1500万人ほどだろうか。
ウォジスキは、クリエイターがマイルストーンを達成したとき、マスコミに取り上げられたとき、何かの賞を受賞したときなど、ほぼ毎日欠かさず、彼らを自身のTwitterで祝福している。

「クリエイターの皆さんは、自分たちの生活を共有し、生計を立て、私たちを取り巻く世界を豊かにするために、私たちのプラットフォームに集まってきています。彼らは、より良い世界にするために私たちを結びつけているのです」と、彼女は今年初めに書いている。

(※編集注:同氏は2023年2月16日、YouTubeのCEOを退任された)

Splice (スプライス):スティーブ・マルトッチ(共同創業者兼エグゼクティブ・チェアマン)

Ilya Savenok/Getty Images

Spliceという名前を聞いたことがなくても、デュア・リパやジャスティン・ビーバーのヒット曲など、Spliceを使って作られた曲を聞いたことはあるだろう。同社は一流レコーディングスタジオのリソースを誰でも使えるようにし、クラウド上で遠隔コラボレーションを可能にする、低コストで使いやすいプラットフォームを開発した。

テキストメッセージサービスのGroupMe社を共同創業、すぐSkypeに売却したマルトッチは、2013年にSplice社を発表したとき「私は、音楽を作る才能はないが、ミュージシャンをサポートする方法は知っている。」との名言を残した。
(共同創業者のマット・アイモネッティは、現在マイクロソフト社に勤務している)

同社最大の革新は、ミュージシャンやプロデューサーが僅かな購読料を払えばロイヤリティフリーで使用できる、楽曲サンプル検索データベースだろう。

Kajabi(カジャビ):ケニー・ルーター(共同創業者兼エグゼクティブ・チェアマン)

2009年、当時ソフトウェア・エンジニアだったルーターは、子どもたちに塩ビパイプでスプリンクラーのおもちゃを作った。近所の人たちから好評で、一時はメーカーになることも考えたそうだ。しかし、作り方を紹介するビデオを作成、オンラインでノウハウを販売する方が簡単で効果的だと考えた。YouTubeでの活動は頓挫したが、ならばノウハウを持った人間が視聴者にリーチ、収益化できる会社を作ろうと決心した。
2010年にカジャビを立ち上げると、登録者は数ヶ月で数千人に達した。
「まだ『クリエイター』という言葉が生まれる前のことです」と、ルーター。「彼らの多くは、弁護士やビジネス・コーチ、教師などでした」

プラットフォームは軌道に乗った。同社によると、カジャビから10万以上のビジネスが生まれ、利益は40億ドルにのぼったそうだ。その結果、投資家の注目を集め、昨年は5億ドルという巨額の資金を調達した。

現在、経営からは退き、会長職にとどまっているルーター。クリエイター・エコノミーはますます主流になっていくだろうと予測している。

Variant:(ヴァリアント):リー・ジン(ジェネラル・パートナー)

Courtesy The Variant Fund

2022年7月、ヴァリアント社はWeb3スタートアップ企業を支援するため、4.5億ドルを調達した。過去のファンドでは、ミラー、ポリゴン、ユニスワップなど、Web3の人気イノベーターに投資している。
彼女は、将来のビジョンとして暗号の主流化を掲げており、その実現に貢献したいとの考えを語った。

Web2はデジタル封建主義で、Web3はデジタル資本主義です。Web3は、インターネットに資本主義を導入するという意味で、パラダイムシフトと言えるでしょう。そこでは実際に個人が資本を所有し、自分のアウトプットの資本所有者になることができます」

彼女は、クリエイターが生活するための最低給与(ユニバーサル・ベーシックインカム)など、クリエイターの権利を提唱している。

Cameo:(キャメオ):マーティン・ブレンコウ、スティーブン・ガラニス、ディーヴォン・スピンラー・タウンゼント(共同創業者)

左から: スティーブン・ガラニスディーヴォン・スピンラー・タウンゼントマーティン・ブレンコウ
Michael Kovac/Getty Images for Cameo

マーティン・ブレンコウは、NFLのエージェントとして、常にクライアント(選手たち)のフィールド外でのチャンスに目を光らせていた。彼は、当時シアトル・シーホークスの新人だったカシアス・マーシュに、ナイキ幹部の出産祝いのメッセージを頼んだ。
「あなたの運動能力を手に入れれば、きっといつかシーホークスでプレイすることになるでしょう」と、マーシュはビデオの中で語っている。
ブレンコウと、彼の長年の友人スティーブン・ガラニスは、このやりとりに大きな可能性を感じ、エンジニアで共同創業者のディーヴォン・スピンラー・タウンゼントとともにこのプラットフォームを開発したそうだ。
「サイン入りサインの新バージョンだね」とガラニスはObserver誌に語っている。

キャメオを使えば、有名人とファンとの間の距離が縮まり、芸能人はファン層と真のつながりを感じられる。特に、スポーツのように予期せぬ怪我でキャリアが終わってしまうような業界では、有名人も副収入を頼りにしている。

多くのハイテク企業がそうであるように、キャメオも最近は苦戦、2022年5月には社員の約4分の1を解雇した。
同社は、企業が有名人にお金を払ってブランドの宣伝してもらい、その動画をソーシャルメディアに掲載するというビジネス広告の分野にも進出している。このビジネスサービスは、タレントエージェンシーのような中間業者を排除し、インフルエンサーマーケティングをより身近なものにしている

SuperRare(スーパーレア):チャールズ・クレイン、ジョン・クレイン、ジョナサン・パーキンス(創業者)

左から:ジョナサン・パーキンスジョン・クレイン、チャールズ・クレイン
Weston Wells/Courtesy of SuperRare

NFTのアートメディアとして真剣にとらえるべきだと言われれば、苦笑する人もいるだろう。
しかしスーパーレアの創業者3人は、アート雑誌になれればそれで十分のようだ。
マーク・ベノイフとマーク・キューバンの支援を受けた同社は、クリエイターが制作したデジタルアートを販売する、高度に洗練されたNFTマーケットプレイスである。

創業者のジョン・クレイン、チャールズ・クレイン、ジョナサン・パーキンス(兄弟と従兄弟)は、夜間や週末に副業で稼いだお金で2018年に事業を始めた。
「まだNFTの市場認知度が低かったので、当初は大変でした」と、ジョン・クレイン。
それでも初日から、小さいながらも情熱的な世界中のアーティストたちのおかげて、ビジネスを軌道に乗せることができた、とクレインは語る。

同社は2022年現在、アーティストが稼いだ6億8000万ドル、さらに1億100万ドルの二次販売に貢献している。同社はこの二次販売市場でアーティストにロイヤリティを与える最初の NFT プラットフォームとなった。2021年8月には、さまざまな新進アーティストを宣伝するギャラリー・ネットワーク「SuperRare Spaces」を立ち上げた。

SuperRareは、デジタルアーティストに自活の道を与える一方で、「コンテンツの周りにソーシャルな体験を築き上げる」ことに関心があるそうだ。
「Spotifyが音楽でやったことを、SuperRareがデジタルアートのためにやるんだ」と彼は言う。

最近、同社はGucciのDAO(分散型自律組織)参入を支援した。また、Gucciをしばしば作品に取り入れるカナダのスノーボーダー兼アーティスト、トレヴァー・アンドリューなどNFTのアーティストを特集した新しいギャラリーを立ち上げた。

Karat(カラット):ウィル・キム、エリック・ウェイ(共同創業者)

Courtesy Karat

ウィル・キムとエリック・ウェイは、会計処理を知らないクリエイターたちのために2019年に同社を設立した。
「税金って払わなきゃいけないのかなと聞いてきたクリエイターがいます」とウェイ。
残念ながら、銀行はコンテンツクリエイターの扱いを知らず、インターネット上の有名人はクレジットカードを持てたとしても、限度額は低いケースが殆どだ。
カラット社は、こういったクリエイターのために金融システムを構築し、クレジットカードの条件、限度額、特典について、ソーシャルメディアでの実績を考慮している。

同社は、ジョシュ・リチャーズ(TikTokフォロワー2600万)、ZHC(YouTubeフォロワー2490万)、ナス・デイリー(Facebookフォロワー2146万)など、インターネット界の大スターたちの代理人を務めている。また、これらクリエイターの会計処理や税務処理も始めており、今後は、銀行口座、事業資金、住宅ローンなどにもパイプを広げていく予定だ。

「彼らのように従来の銀行システムでは対応しきれなかった人が、世界中に何百万もいるのです」

後編に続く)

出所:OBSERVER “Here Are the 25 People Powering the Creator Economy

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