(以下は、TechCrunchのAIに関する記事を翻訳編集したものであり、元の記事・内容について当社が独自に制作・発信しているものではございません。)
作家たちの結束:著作物のAI利用に公正さを求める
数千人の作家が、AIメーカーに自分たちの本の盗用をやめるよう求める書簡に署名した。
8,500人以上の著者が署名したこの書簡は、ChatGPT、Bard、LLaMaなどの大規模言語モデル(LLM)の背後にあるテック企業が、許可や対価なしに自分たちの文章を使用していると非難している。
「これらのAI技術は、私たちの言語、物語、スタイル、アイデアを模倣し、再利用している。彼らは何百万もの著作権のある本、記事、エッセイ、詩を『食料』として使用している」と彼らは主張している。
この書簡は、開発者たちがAI作品の出典を明示していないことを問題視している。彼らはどこから知識を得たのだろうか?書店でかき集めたたサンプルから?書評から?図書館から?それとも違法なアーカイブから学習したのだろうか?
出版社に出向いてライセンスを取得するという、理想的かつ、唯一の合法的・倫理的な方法に則っていないことは明らかだ。
この書簡は、生成AIが、著者の作品をもとに機械の手によって書かれた凡庸な本や物語、ジャーナリズムを市場に氾濫させ、専門職に損害を与える可能性があると警告している。
実際、すでにこのような現象が起きている。最近、非常に質の低いAI生成作品がAmazonのベストセラーリストに多数ランクインした。出版社にはAI生成作品が殺到、ウェブサイトも、SEO対策の餌として再利用されるコンテンツとして毎日荒らされている。
これらの悪意ある行為には、OpenAIやMetaが開発したツールやAPI、エージェントなどが利用されている。
何百万もの作品を故意に盗み出し、新たな商用製品に利用する人間が他にいるだろうか?(Googleはもちろんそうだが、検索インデックスを作ることとAIを取り込むことは同じではないし、Googleブックスには少なくとも専用の索引という言い訳があった)。
大規模出版の抱える煩雑さと利幅の狭さによって、執筆で生計を立てられる著者がますます少なくなっている中、この書簡では、「新人作家、特に若い作家や少数派のコミュニティからの声にとって、耐え難い状況だ」と警告している。
書簡は各社に以下のことを求めている:
- 作家の作品を生成AIプログラムで使用する許可を得ること。
- 過去・現在を問わず、各企業は、生成AIプログラムでの著作物使用において、著作者に対し公正な補償を行うこと。
- AI出力における著作物の使用に対し、そのような出力が現行法の侵害にあたるか否かにかかわらず、著作者に公正な補償を行うこと。
これらは法的な脅しではなく、あくまでも要求である。
実際、「はい、あなたの作品を盗用し、生成AI作品を作りました。申し訳ありません。すぐ弁償します」と申し出る企業があるとは考えにくい。
ほとんどの人は、著作権で保護された作品がAIによって無許可に再利用される可能性があることを知らないし、思いも及ばないだろう。
AI構築に盗作を用いたと最初に責任を取るのはどの企業か、また十分な補償額を持ち合わせているのかは、まだ不明である。
しかし、著者たちはこの問題に取り組み、十分な精査や補償を受けられない可能性のあるAI生成コンテンツを前に、クリエイターとしての権利を主張する決意を固めている。
出所:Tech Crunch: Thousands of authors sign letter urging AI makers to stop stealing books