（以下は、built inのAIに関する記事を翻訳・要約編集したものであり、元の記事・内容について当社が独自に制作・発信しているものではございません。）
生成AIはオンライン検索を革新し、従来の青いURLの一覧ではなく、質問に答えてくれる新世代の検索エンジンを導入した。
GoogleやBingのような業界のリーダーは、PerplexityやYou.comのような新星に遅れを取らないよう、迅速にプラットフォーム全体にAIを統合している。
しかし、AI搭載の検索エンジンの可能性はまだ完全には解明されておらず、素晴らしい未来と重大なリスクの両方を持ち合わせている。
トップAI検索エンジン
・Google
・Bing
・Perplexity
・Brave Search
・You.com
AI検索エンジンとは？
AI検索エンジンはAIを利用し、特に自然言語処理（NLP）や機械学習などの方法を使い、各検索クエリの裏にあるユーザーの意図を理解し、より関連性の高い結果を提供することを目指しているものだ。
具体的には、ウェブ全体から集めた情報の簡潔な要約を生成することで、ユーザーにウェブサイトへのリンクを提供する。
「AI検索エンジンはページ上でリンクを表示するのではなく、たった一つの答えを提供してくれる」とデジタルマーケティングコンサルタントのジョーダン・スティーブンス氏はBuilt Inに語っている。
AI検索エンジンは、AIチャットボットによく似ている。会話が可能で、人間らしく流暢に質問に答えることができる。
しかし、ほとんどのチャットボットとは異なり、AI検索エンジンはインターネットへのリアルタイムアクセスを持ち、より包括的でリアルタイムの情報を提供することが可能だ。
これにより検索エンジンだけでなく、ChatGPTのような人気のあるチャットボットに対してもライバルとなり得る。
知っておくべきAI検索エンジン9選
1. Google
言わずもがな、Googleは世界で最も人気のある検索エンジンであり、検索市場の約90％を支配している。
同社は2023年にサイトの大幅な改修を開始し、その後Geminiモデルを使用してほぼすべての検索プロセスにAIを導入した。
GoogleのAI Overviewsは、ページ上のトップ検索結果についての要約をAIが生成し、ユーザーにクエリに対する一般的な回答の感覚を与え、さらなるリソースへのリンクも提供してくれる。
また、Googleのプランニングツールは、単一のクエリに基づいて食事プランから旅行の日程まで何でも作成することができる。
さらに、Geminiを使用して検索結果をページ上で整理して表示してくれる。
価格：無料
2. Bing
BingはGoogleに次いで世界で2番目に人気のある検索エンジンであり、グローバルでの総検索量の約4％を占めている。
Microsoftによって開発されたBingは、OpenAIのGPT-4 LLM（大規模言語モデル）をベースにしている。
標準のテキスト、音声、画像検索機能に加えて、プラットフォームにはチャット機能Copilotも備える。
ユーザーは質問に対し人間らしい回答を得ることができ、さらに行ごとの記事引用も可能だ。
Copilotには、旅行のプランニング機能、料理アシスタント、AI画像生成ツール、フィットネス関連の質問に答えるツールも含まれている。
価格：無料
3. Perplexity
2022年にローンチされたPerplexityは、AIが生成した検索結果の要約と、トップにソースへのリンクを含むパネル、そして下部に関連質問のリストを提供してくれる。
これはGoogleの「他の人はこちらも検索」に似た機能だ。
また、ユーザーはYouTubeの動画やRedditの投稿など特定のソースに絞って検索することもできる。
Perplexityの無料版はOpenAIのGPT-3.5 LLMと独自のAIモデルを使用している。
Pro版にアップグレードすると、GPT-4やAnthropicのClaude 3など、他のいくつかのモデルから選択可能になる。
価格：無料（Pro版は月額20ドルで利用可能）
4. Brave Search
Brave Searchはプライバシーに配慮しているユーザー向けにマーケティングされており、個人情報や検索履歴を収集しないことが特徴だ。
他の多くのAI検索エンジンと同様に、Brave SearchはNLPのクエリに対して迅速な生成AIインサイトを提供するが、そのためにGoogleやBingなどの主要な検索エンジンに依存しているわけではない。
代わりに、同社は独自の検索インデックスに基づいて回答を提供し、これにより「ビッグテックのSEOスパムに伴うバイアス」と「検閲」を排除すると主張している。
Brave Searchはどんなウェブブラウザでも無料で利用できるが、ウェブ全体でユーザーのデータを収集するトラッカーをブロックする無料の同社ブラウザも利用可能。
価格：無料
5. You.com
You.comは、消費者向けのLLMとインターネットのリアルタイムアクセスを統合した最初の検索エンジンであると主張している。
さらに、同社はそのインターフェイスにマルチモーダルチャット機能を初めて導入したとも述べている。
このプラットフォームは、標準的な検索エンジンというよりもAIアシスタントのように機能し、「スマート」（ウェブ検索やコンテンツ作成などのクイックなタスク用）から「クリエイト」（画像生成用）まで、さまざまなモードを持つ。
また、検索履歴やIPアドレスを保存しないプライベートモードも提供。
価格：無料（アドバンスバージョンは月額15ドルで利用可能）
6. Andi
Andiは、検索エンジンとチャットボット両方の機能を持つ。
ユーザーの質問に答え、複雑なトピックを説明し、ウェブをナビゲートすることができ、上位の検索結果から情報を組み合わせてAI生成の洞察を提供する（「テキスト生成」をクリックすると表示される）。
ユーザーはリンクの表示方法をカスタマイズすることもでき、リスト、グリッド、フィードのレイアウトから選択できる。
また、表示スタイルをHacker News、マークダウンテキスト、またはクラシックなGoogleページに似せることもできる。
Andiはユーザーのデータを収集するが、他者と共有はしないとしている。
また、検索履歴をログに記録せず、トラッキングや広告をブロックできる。
価格：無料
7. Komo
KomoはSunshineと呼ばれる独自のLLMによって動作する、広告なしの検索エンジンだ。
Komoには4つのモードがあり、それぞれのモードで異なる機能を持つ。
- Ask（質問）：ユーザーが質問すると、AI生成の回答と関連リンクを提供。
- Search（検索）：通常の検索エンジンのように、関連するリンクのリストを提供。
- Research（リサーチ）：有料ユーザーのみ利用可能で、AI生成のトピック分析と引用を提供。
- Explore（探索）：ユーザーのクエリに対して動画リンクのみを提供。
価格：ベーシックプラン/月額8ドル プレミアムプラン/月額15ドル ビジネスプラン/変動価格制
8. Waldo
Waldoは、ビジネスピッチやブランド戦略の作成など、詳細な調査が必要なタスクに便利だ。
GoogleやBingなどのサイトから取得した検索インデックスを使用し、ユーザーの要望に細かく調整できるカスタマイズ可能なインターフェースに再パッケージする。
数回のキーストロークで、検索結果を特定のファイルタイプに絞り込んだり、特定の単語や数字をハイライトしたり、特定のソースをブロックしたりできる。
ユーザーは内蔵のメモ帳にメモを取ることもでき、そのメモをファイルやGoogleドキュメントにまとめて他の人と共有することも可能。
価格：フリーランサープラン/月額149ドル チームプラン/月額179ドル（一人あたり） チームプロプラン/月額199ドル（一人あたり） エンタープライズプラン/変動価格制
9. Phind
Phindは、ソフトウェア開発者向けに設計されたAI検索エンジンだ。
インターネットとユーザーのコードベース（選択した場合）に接続されており、「Mixtral 8x7Bのベンチマークは何ですか？」や「JavaScriptでHTTPリクエストを行うにはどうすればよいですか？」といった技術関連の質問に答え、AI生成の回答とともにソースへのリンクを提供してくれる。
さらに、Codeインターフェースでは、ユーザーは自分のコードベースを入力し、特定のコードに関する質問をしたり、自動的にユニットテストを書いたり、ブラウザ内でPythonスニペットを実行したりできる。
価格：Proプラン/月額20ドルまたは年額17ドル Enterpriseプラン/月額40ドル
AI検索エンジンはどのように動く？
AI検索エンジンは、まずインターネット上のウェブページをクロールしてインデックス化する。
これにより、テキスト、画像、リンクなどの有用なデータを抽出し、その後、機械学習アルゴリズムやNLPを使用して、ウェブページのコンテンツや構造をさらに分析し、より深く理解する。すべての情報は、その後データベースに処理、整理、保存され、検索プロセス中に取得可となる。
AI検索エンジンは、ユーザーのインタラクションや新しいデータから学習し、そのインデックスを継続的に更新し改良する。ユーザーがクエリを入力すると、AI検索エンジンはLLMを使用して、ユーザーの意図をより理解し、個々の単語の意味や単語間のパターンや関係を分析する。その後、ユーザーのクエリをインデックス内の関連する検索結果とマッチングさせる。クエリが曖昧であったり会話の中にあったりしても、これに対する検索結果を提供してくれる。
時間の経過とともに、一部のAI検索エンジンはユーザーの検索履歴やクリックしたリンク、その他のメトリクスを収集し、特定のユーザープロファイルを構築する。これにより、ユーザーの好みを学び、よりパーソナライズされた回答を提供することが可能になる。
また、AI検索エンジンはLLMを使用して、ウェブ全体から収集した情報を包括的なAI生成の回答にまとめてくれる。大量のテキストデータでトレーニングされたLLMは、文脈に基づいて最も論理的な単語を予測し、人間が書いたテキストに近い、分かりやすく文法的に正確な文章を生成することができる。
AI検索エンジンと通常の検索エンジンの違い
AI検索エンジンと従来の検索エンジンの目標は共通している：ユーザーにリンクをクリックしてもらい、その「検索の旅」を完了させることだ。
スティーブンス氏によれば、「最終的に、その検索エンジンはあなたに質の高い回答を提供したいと考えています。」
しかし、AI検索エンジンと通常の検索エンジンはその仕事を進める方法に違いがある。
AI検索エンジンは検索結果の要約を提供、通常の検索エンジンはリンクの一覧を提供
通常の検索エンジンは、検索結果をリンクのリストとして表示し、各リンクの下に短いテキストのスニペットを付けてくれる。
一方、AI検索エンジンは、検索結果の簡潔な要約を生成することもできる。
これにより、ユーザーは複数のウェブサイトにスクロールしてクリックする必要なく、そのクエリに対する回答を直接得ることができる。
AI検索エンジンは「文脈」、通常の検索エンジンは「キーワード」にフォーカスする
通常の検索エンジンは主にキーワードの一致を基にユーザーのクエリを解釈しますが、AI検索エンジンは文脈内での単語の広義の意味を考慮することにフォーカスする。
これにより、AI検索エンジンはより深くユーザーの意図を理解し、ユーザーが求めているものにより近い検索結果を提供することができる。
テクノロジー企業Kyndrylのチーフテクノロジーオフィサーであるデニス・ペルペチュア氏は、「AI検索エンジンは、あなたが伝える内容にフォーカスします。そして、追加のプロンプトや質問を使って結果を細かく調整できます。面白いキーワードやプラスサインを使うことなく」と述べる。
キーワードの代わりに文脈を重視することで、AI検索エンジンは意図が明確でない場合でも有益な結果を与えてくれる。
例えば、ユーザーが「近くのテラス席のある飲食店」を求める場合、AI検索エンジンは「レストラン」や「パティオ」という具体的な単語がクエリに含まれていなくても、パティオのある近隣のレストランをリストアップできる。
「AI検索エンジンは、キーワードや正確さの観点よりも、より広い視野で物事を捉え、感情的な観点や文脈的な観点から記述できるため、検索力を向上させています」とペルペチュア氏は続けている。
「これにより、一般的なキーワード検索よりも迅速に回答を絞り込むことができます。一般的なキーワード検索では、手動で調整を続ける必要がありますが、AI検索エンジンはその必要がありません。」
通常の検索エンジンはテキストクエリのみ、AI検索エンジンは画像・動画・音声にも対応
通常の検索エンジンはテキスト入力のみを受け付けますが、一部のAI検索エンジンはマルチモーダル機能を持っており、テキスト以外の形式の情報（画像、動画、音声など）も処理し理解することができる。
例えば、マルチモーダルAI検索エンジンは、ユーザーが音声コマンドを使用したり、スマートフォンで写真を撮ることで検索が可能だ。
これにより、質問を入力するだけよりも直感的で柔軟な検索ができる。
AI検索エンジンは通常の検索エンジンより優れているだろうか？
AI検索エンジンは誕生日パーティーの計画を手伝ったり、空が青い理由を簡単に説明したりするのには優れているが、特定のウェブサイトへのナビゲーションやスポーツイベントの進行状況をリアルタイムで追跡するなど、他のタスクに対しては必ずしも最適ではない場合がある。
「AIは新しい情報や極端な例外にうまく対応できません」とスティーブンス氏は述べている。
「極端な例外や新しい情報に関しては、AIは苦労すると思います。」
AI検索エンジンはバイアスのかかった回答を生成する可能性もある。
通常の検索エンジンは、ユーザーがクリックし自分で解釈するためのリンクとして情報を整理するだけだが、AI検索エンジンはウェブ上のコンテンツを要約し、学習した内容に基づいて新しい回答を生成する。
「つまり、AI検索エンジンが生成する結果は、開発者のバイアスを反映する可能性が高く、元々バイアスがなかった分野にバイアスを導入することになるのです。」と、テクノロジー企業Inrupt副社長のダビ・オッテンハイマー氏は述べている。
「AI検索エンジンはデータのキュレーターや所有者から切り離されています。AIを介在させることで、今ではアルゴリズムを作成している人々のビジョンや声が反映されるようになっています。」
すべての生成AIと同様に、AI検索エンジンもハルシネーション（幻覚）を起こしやすく、時には誤った情報を事実として提示することがある。
一部のツールはこの問題を軽減するために行ごとの記事引用を取り入れていますが、引用された記事が常に正確であるとは限らず、時には実際に存在しないこともある。
したがって、AI検索エンジンは通常の検索エンジンよりも動的でインタラクティブな性質を持っていますが、必ずしもAIを使用しない従来の検索エンジンよりも高品質な回答を生成するわけではないと言える。
