2025年11月30日、X(旧Twitter)は「フォロー中(Following)」フィードの時系列表示を終了し、Grokによる関連性ランキングへ移行した。これまで「フォローすれば確実に届く」とされてきた最後の聖域が、アルゴリズムの手に渡ったことになる。さらに2026年1月20日、Xはその推薦アルゴリズムをGitHubで全公開した。本記事では、何が変わり、フォロワーという資産の意味がどう変質したのか、そしてクリエイターは2026年のXで何を最適化すべきかを整理する。
「フォロー=確実に届く」時代が終わった
長らくXには2つのタイムラインがあった。アルゴリズムが選ぶ「おすすめ(For You)」と、フォローした相手の投稿が新しい順に並ぶ「フォロー中(Following)」だ。後者はクリエイターにとって最後の安全地帯だった。何万人にフォローされていれば、その投稿は少なくともフォロワーの時系列タイムラインには必ず流れる――その前提が、2025年11月30日に崩れた。
この日を境に、Xは両方のフィードをGrokによる予測エンゲージメントと関連性でランク付けするよう切り替えた(Social Media Today)。フォロー中フィードであっても、もはや投稿は時系列では並ばない。ユーザーの過去の反応や興味トピックといったシグナルに基づき、Grokが「この人が反応しそうな順」に並べ替える。さらにXは全ユーザーを自動的にGrokランク版へ移行させ、以前「フォロー中」を既定に設定していた人も含め、「おすすめ」を全員の既定タイムラインに戻した。時系列表示は設定から技術的にはまだ呼び出せるが、どちらのフィードでも既定ではなくなっている。
つまり、フォロワーが投稿を見るかどうかは「フォローしているか」ではなく「アルゴリズムが関連性ありと判断したか」で決まる構造になった。これはクリエイターの運用前提を根本から変える転換である。
Grokは投稿を「読んで」並べ替える
今回の移行の核心は、ランク付けの主体がGrokベースのトランスフォーマーモデルに置き換わったことだ。従来の推薦システムが主にエンゲージメント数や共起パターンといった「メタデータ」で投稿をさばいていたのに対し、新しいモデルは投稿のテキストそのものを読み、動画の中身まで視聴して「その投稿が何について語っているか」を理解する。
その理解を、ユーザー一人ひとりの興味プロファイルと照合する。誰をフォローしているかではなく、投稿の意味内容とユーザーの関心がどれだけ噛み合うか――この「関連性(relevance)」が並び順を左右する。言い換えれば、Xのタイムラインは「人間関係のグラフ」から「意味のマッチング」へと評価軸を移したと言える。
この流れは、Xに限った話ではない。動画プラットフォームでは数年前からアルゴリズムが「誰が投稿したか」より「コンテンツの中身と視聴者の相性」を重視してきた。たとえばTikTokが長尺動画を優遇するようアルゴリズムを調整した動きも、配信フォーマットの意味を機械が解釈し最適配信先を決める潮流の一部だった(参考:TikTokが3〜5分動画を優遇するアルゴリズム変更)。Xのフォロー中フィードのアルゴリズム化は、その潮流がSNSの「最後の時系列領域」にまで到達したことを示している。
GitHub公開で見えた「評価軸の順序」
2026年1月20日、XはこのGrokベースの推薦アルゴリズムをGitHub(xai-org/x-algorithm)でApache-2.0ライセンスのもと全公開した。コードはRustが約63%、Pythonが約37%で構成され、xAIが「Phoenix」と呼ぶトランスフォーマーモデルがランキングの中枢を担う。
公開コードから読み取れる処理は、おおむね3段階だ。まず1日あたり約5億件の投稿から、フォロー関係と機械学習による発見を組み合わせて約1,500件の候補を絞り込む「候補抽出」。次にPhoenixがそれぞれの投稿について、ユーザーが反応する確率を予測する「ランキング」。最後に重複や不適切なものを除く「フィルタリング」である。フォロワー数の多さそのものは、この候補抽出を通過させる一要素にすぎず、最終順位を保証しない。
注目すべきは、どの行動が重く評価されるかの「方向性」が見えたことだ。共通して言えるのは、単なる「いいね」が最も軽く扱われる一方、リポスト(リツイート)・返信・ブックマーク・プロフィールクリックといった「深い関与」が大きく評価されるという点である。とりわけ返信を含む会話の発生は強く効くと複数の分析が指摘する。ただし正確な重み付けの数値そのものは公開コードに同梱されておらず、学習によって決まる部分も大きいため、分かっているのはあくまで各シグナルの「向き」であって厳密な比率ではない。それでも「いいねより、リポスト・返信・ブックマーク・プロフィールクリックを生む投稿が伸びる」という方向性は明確に読み取れる。
フォロワー数という資産の意味が変わる
この変化が突きつけるのは、「フォロワー数」というクリエイターの最も分かりやすい資産が、リーチを保証しなくなったという現実だ。10万フォロワーを抱えていても、Grokが各フォロワーにとって関連性が低いと判断すれば、その投稿はフォロー中フィードですら上位に表示されない。フォロワー数は依然として候補抽出や信頼性のシグナルとして機能するが、それ単体では「届く力」に直結しなくなった。
これはX固有の異変ではなく、SNS全体で進む「フォロワー数の地盤沈下」の一局面である。評価の軸が量から関連性・エンゲージメントの質へ移っていく流れは、すでに各プラットフォームで顕在化している(参考:「フォロワー数の終焉」――数より関連性が評価される時代へ)。Xのフォロー中フィードのアルゴリズム化は、その総仕上げとも言える出来事だ。
一方で、純粋な時系列フィードを求める層の受け皿として、別プラットフォームの存在感も増している。チャンネル登録した相手の投稿を見たいユーザーにとって、アルゴリズム任せのタイムラインは必ずしも歓迎されない。MetaのThreadsのように、時系列に近い体験とフォロー関係の重みを残すプラットフォームが、こうした不満の受け皿として伸びる余地もある(参考:Threadsが4億MAUを突破、収益化も本格化)。クリエイターにとっては、特定プラットフォームのアルゴリズム変更に運命を握られないよう、発信先を分散しておく重要性が増している。
2026年のX運用、何を最適化すべきか
では、Grokが支配するXで何を作ればいいのか。公開された評価軸の順序が、そのまま実務のヒントになる。鍵は「保存・共有・会話を生む投稿」を作ることだ。いいねは押されても流れていくだけだが、リポストは他者のタイムラインへ拡散の起点を作り、返信は会話のスレッドを伸ばし、ブックマークは「後で読む価値がある」という強いシグナルになる。軽いいいねを稼ぐより、思わず保存・引用したくなる密度の投稿のほうが、Grokの評価では有利に働く。
もう一つは、Grokが投稿の中身を「読む・観る」ようになった以上、テキストや動画そのものの情報量と一貫性が効いてくるという点だ。何について語っている投稿かが明確で、特定トピックへの関連性が高いほど、興味プロファイルとのマッチング精度が上がる。プロフィールクリックが重く評価される事実も見逃せない。投稿単体で完結させず「この人をもっと知りたい」と思わせ、プロフィールへ誘導する設計が、アカウント全体の関連性スコアを底上げする。
最後に、時系列前提の運用――「フォロワーが多いから投稿すれば届く」という発想からは早く卒業したい。届くかどうかは毎回アルゴリズムに問われる。だからこそ、1投稿ごとに反応の質を取りにいく設計と、複数プラットフォームでの関係構築を並行させる戦略が、2026年のクリエイターには求められる。
本記事は、株式会社TORIHADAが運営するクリエイターエコノミー専門メディア「CREATORS POST」がお届けしました。SNS・インフルエンサーマーケティング・クリエイターエコノミーの最新動向を発信しています。
この記事はAIを活用して書いています。



