Gmailの20年|Googleが起こした革命と次なる進化への道

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(以下は、The VergeのGmailに関する記事を翻訳・要約編集したものであり、元の記事・内容について当社が独自に制作・発信しているものではございません。)

Gmailは高速検索と1GBのストレージでメールに革命を起こした。

しかし、次はどこへ向かうのだろうか?

目次

Gmailの20年

20年前の4月1日、ふざけたプレスリリースとともにGmailがローンチされたとき、多くの人が冗談だと思ったに違いない。

このサービスは、15MBの受信トレイが一般的だった時代に、1GBという膨大なストレージを提供した。

また多くの受信トレイが有料の時代に、完全無料を謳っていた。エイプリルフールに発表されたため、何かのいたずらかと思われた。

しかし間もなく、Gmailのベータ版への招待がスタートした —そして、テックファンの間で必須アイテムとなっていった。

筆者の通っていた高校では、Gmailへの招待を持っていることがクールな生徒への切符だった。同級生全員が、Gmailが人生を変えると言っていた。

10代の若者は大体大げさであるが、Gmailは確かにメールに革命を起こした。

我々の受信トレイで何ができるかを再考し、オンラインのアイデンティティの中心的存在となった。

このサービスは現在、世界人口の約7分の1にあたる12億人のユーザーを抱えていると推定され、最近ではオンラインで何かをするためには実用的に必要不可欠なものとなっている。

Gmailは常にここにあり、これからもあり続けるように感じることが多い。

Illustration by Alex Castro / The Verge

しかし20年たった今、Gmailを熱望している人はいるのだろうか?

受信トレイの管理は手間がかかり、SlackやWhatsAppのようなメッセージングアプリがオンラインでのコミュニケーションを支配するようになった。

かつてゲームチェンジャーだったGmailは、すっかり脇に追いやられてしまったように感じる。

さらに20年後、Gmailは私たちの生活の中心であり続けているだろうか?

それとも電子メールは過去のものとなるのだろうか?

メールを削除しないのであれば、スピーディで信頼性の高い検索は必須だ

Gmailのローンチで最も人々の記憶に残っているのは無料ストレージだろう。

しかしGoogleは「検索だ」という。

「Gmailが最初にもたらした価値提案は、高速検索でした。」

GoogleのGmail担当副社長であるイリヤ・ブラウン氏は述べている。人々はEメール管理にうんざりしていた、と。

スパムメールはあちこちあり、受信トレイのストレージはわずかだった。新しいメールを保存するスペースを確保するために、常にメールを削除し続けなければならない。Gmailの巨大なストレージ制限がそれを解決したのだ。

しかし、Gmailの解決策はまた新たな問題を引き起こした。そこで登場したのがGoogleの検索能力だ。

GoogleはGmailの方式を時間をかけて微調整してきた。

2008年、Googleはテーマを導入しGmailの受信トレイを他社よりもずっと気まぐれなものにした。今では15GBのストレージが無料で使える。

Gmailは2000年代半ばにモバイルに対応した。そしてGoogleはメールの優先順位、スマート返信、サマリーカード、登録した覚えのないニュースレターをワンクリックで解除できるボタンの追加など、小さな変更を加えてきた。

すべての変更にもかかわらず、Gmailはほとんど変わっていないように感じる。とはいえ、昔のGmailの画像を見ればあまりの変わりように驚くだろう。

これは、その間に大きな変化や破壊的な変化がほとんどなかったことと関係があるかもしれない。

ローンチ当初、Googleは自分たちの好みに合わせて自由にEメールの方式を変えることができた。

数十年経った今、同社は世界で最も広く使われているEメールサービスを破壊しないように注意しなければならない。

「私たちが非常に真剣に考えているのは、[Gmailユーザー]が必要とするものを構築することです。」とシニアディレクター兼プロダクトマネージャーであるマリア・フェルナンデス・グアハルドは言う。

Gmailのような製品には、信頼性への大きな期待が伴う。Googleは実験に熱心だが、新機能を展開し、それが製品にどのような影響を与えるかを説明する際には最新の注意を払わなければならない。

これが、Googleが長年にわたって大きな変更をほとんど行ってこなかった理由かもしれない。

DM、グループチャット、企業向けメッセージングツールによってオンラインコミュニケーションが加速しても、そのほとんどはGmailの周りで起こっている。

Eメールは今でもその役割を担っているが、もはやコミュニケーションの中心手段とは言えない。

私は以前、Gmailをブラウザで開いてGchatで友人や同僚と話していた。今では、Gmailを横に置いてSlackで生活している。

Image Credit: Fabian Sommer / picture alliance via Getty Images

アーカイブ機能とGoogle検索

削除する必要がないほど十分なストレージがあれば、人生の記録を無限に残すことができる。

小包、領収書、過去の旅行の日程表、愛する人からのメッセージ、写真、予定、書類……ラベルを貼ってアーカイブし、後で検索すればいい。

ほとんどはがらくただが、その中には特別な瞬間も混じっている。

筆者が20代で海外に引っ越したとき、両親と連絡を取り合っていたのはEメールだった。両親が亡くなった今、その愛の記録がGmailに残っていることに感謝している。

それらのメールを検索すると、まるで時を越えたような気分になる。昔の大学のインターンシップの応募書類を見たり、昔の履歴書を見てにやにやしたり。

高校時代の友人からのベタなEカードもあった。初めて本当の失恋をした時の、最も辛辣な別れのメール。Hamiltonのチケットを手に入れるため、チケットマスターに勝つための友人たちとの戦いの計画。私の人生を、瞬時に別の場所にテレポートさせてくれた小さなものたち。

こうしたコミュニケーションのほとんどは、テキストやソーシャルメディアのDMなど、使い捨てられるように意図された分散型の通信ネットワークで行われるようになった。

DMでの検索するのは、受信トレイほど簡単ではない。

Slackでは、古いメッセージにアクセスしたければ、有料プランが必要だ。

TikTokのDMをスクロールして友人が送ってきたビデオを探すのは、それがここ1~2日以内のものでなければ面倒だ。

私はよく、覚えておきたいチャットをスクリーンショットしたくなる衝動に駆られる。しかしそれはまたカメラロール内で失われるだけなのだ。

Gmailのアーカイブ機能はいまだに他の追随を許さない。

Gmailはインターネットのパスポート

Gmailが日々のコミュニケーションには遅すぎるようになったため、Eメールは「公式」なコミュニケーション・チャンネルとなり、検索可能で具体的な記録が必要なもののための場所となった。

楽しみがなくなってしまった、とも言える。

私は高校時代のメールアドレスがあまりにも恥ずかしく、新たにメールアドレスを作らなければならなかった。

新しい親は、生まれたばかりの子供のためにメールアドレスを作ることがよくある。それはアドレスを確保するためだけでなく、ある種デジタルベビーブックとしても機能する。

「私たちは、Gmailがアイデンティティのようなものだと認識しています。Gmailは、外の世界におけるあなたの代表のようなものなのです」とブラウンは述べている。

「Gmailのユーザーとともに、そして時間とともにアイデンティティが進化していくにはどうすればいいのでしょうか?まだ解決策はありませんが、私たちはそれについて考えてきました。」

Gmailはインターネットのパスポートのようなものだ。

新しいサイトやサービスのアカウントを作成するときはいつもGmailに紐づけられるし、多くの場合ユーザー名も兼ねている。

Gmailは、エブリシングアプリ、医療、税金、銀行口座  —我々のデジタルライフ全体へのチケットだ。

何かからロックアウトされてしまった場合、Gmailに戻ってアクセスし直す。

もはやGmailを開いてワクワクすることはないかもしれないが、今でもGmailのパスワードは人生で最も重要なものなのだ。

Illustration: The Verge

メールをやめる人はいないだろう

時々朝目覚めると、届いていた100通のニュースレターや広告メールすべてを燃やしてしまいたい衝動に駆られる。フレッシュな受信トレイから新たに始めたいという衝動に。

しかし現実には、失うものが多すぎる。

私は10年間で4回引っ越したが、メールアドレスは変わらない。

毎日、ソーシャルメディアでアカウントを削除する友人がいるが、メールをやめると宣言して立ち上がる人はいない。(そもそも20年後、SlackやTikTokは存在しているのだろうか?)新しいメールアドレスをセットアップし、そしてそれを見落とす人がいることを考えると頭が痛くなる。

Gmailが今後も存続していくことは間違いない。しかし、私たちとの関係がどうなるかはまだ分からない。

Googleはこの二律背反に気づいており、Eメールをより手間のかからないものにしたい、つまり受信トレイに最初の喜びを少しでも取り戻したいと言っている。

「私たちは、Eメールとは関連付けられていない、さまざまな楽しい瞬間について考えたいのです」とブラウンは言う。

「それはやらなくてもいいことだったり、より速く何かをするのに役立つことだったりする。」

例えば、同僚にコーヒーを飲みに行くことをメールすると、GmailのAIが地元のおすすめカフェをポップアップ表示し、Googleカレンダーに登録してくれるかもしれない。これは、Gmailをパーソナル・アシスタントやデジタル司書に変えるようなものだ。

それは依然として人生の終わりのないアーカイブを管理するようなものだが、おそらくそれが今Eメールなのだろう。

おそらく受信トレイを再発明することはできないかだろう ―管理を楽にすることはできるかもしれないが。

出所:https://www.theverge.com/24113616/gmail-email-20-years-old-internet

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