（以下は、TechCrunchのBardに関する記事を翻訳編集したものであり、元の記事・内容について当社が独自に制作・発信しているものではございません。）
Googleの生成AIチャットボットであり、ChatGPTのライバルでもあるGoogle Bardが、本日アップデートを受け、その機能が大幅に強化される。
Googleによると、BardはGoogleの最新かつ最も高度なAIモデルであるGeminiを搭載し、チャットボットにより高度な推論、計画、理解、その他の能力を与えるとのことだ。
Geminiには、Ultra、Pro、Nanoの3つのサイズがあり、モバイルデバイスからデータセンターまで、あらゆる場所で動作させることができる。
GeminiのBardへの展開は、2段階にわたって行われる。まず、BardはGemini Proの特別に調整されたバージョンでアップグレードされる。翌年、GoogleはBard Advancedを導入し、ユーザーはGemini Ultraから始まる最高のAIモデルを利用できるようになる予定だ。
Gemini Proを搭載したバージョンのBardは、まず世界170以上の国と地域で英語版が利用可能になり、EUや英国を含む、より多くの言語と国が間もなく利用可能になる。
一般に公開される前に、Gemini Proは一連の業界標準ベンチマークにかけられ、その8つのベンチマークのうち6つでGeminiはGPT-3.5を上回ったとGoogleは述べている。これには、MMLU（大規模マルチタスク言語理解タスク）での優れたパフォーマンスも含まれる。また、小学生の算数の推論を測定するGSM8Kでも優れた結果を出した。
しかし、TechCrunchのKyle Wiggersが指摘したように、GPT-3.5は1年以上前のものであるため、今回の発表は、性能を上回ったというよりも、むしろキャッチアップのように感じられる。
GPT-3.5の改善により、Bardはコンテンツの理解や要約、推論、ブレーンストーミング、ライティング、プランニングなどの面でより能力を発揮できるようになる、と同社は指摘している。
GoogleのアシスタントとBard担当副社長兼GMであるSissie Hsiao氏は、プレスブリーフィングでBardのアップグレードを紹介した際、「これはBardの発売以来、単一の品質向上としては最大のものです」と述べた。
Gemini Proは、まずBardのテキストベースのプロンプトをパワーアップさせるが、今後数カ月でマルチモーダルサポート（テキストと画像やその他のモダリティを意味する）に拡大するとHsiao氏は述べた。
2024年には、Geminiの最も高性能なモデルを搭載した新しい体験となるBard Advancedがデビューする。Gemini Ultraと呼ばれるこのAIは、テキスト、画像、音声、動画、コードなど、さまざまな種類の情報を理解し、それに基づいて行動することができ、マルチモーダルな推論能力を備えている。Googleによれば、Gemini Ultraは、音声や動画コンテンツの理解に加え、一般的なプログラミング言語による高品質なコードの理解、説明、生成も可能だという。それならば、このアップグレードを待つべきだろう。
同社によると、来年早々にはBard Advancedをユーザーに広く公開する前に、信頼できるテスター・プログラムを開始する予定だという。さらに、Googleは発売前にBard Advancedにさらなる安全確認を実施する予定だ。
このアップデートは、わずか8ヶ月前のデビュー以来、Bardの他の多くの改善に続くものである。ここ数ヶ月の間に、AI体験は、YouTubeのビデオに関する質問に答える機能、Gmail、ドキュメント、DriveなどのユーザーのGoogleアプリ、さらにGoogle Flightsやホテルなどの他のGoogleサービスを利用する機能などで改善されてきた。
また、AIが “幻覚 “を見ているかどうか、つまり誤った情報に基づいて回答しているかどうかを判断するために、回答をダブルチェックすることもできる。
「Geminiによって、世界最高のAIコラボレーターに一歩近づいた」とHsiao氏は言う。それは少なくとも、Bardがまだそこに到達していないことを認めているのだから。
Bard with Geminiは本日より利用可能だ。
