Instagramは、リールを「シリーズ」としてつなぐ機能(Link a reel)の提供を、2026年10月28日で終えると報じられた。米国の業界メディアSocial Media Todayは10月15日、クリエイターエコノミーの専門家Lia Haberman氏の投稿をもとに、この終了を伝えた。理由は「リールの視聴体験をシンプルにするため」だという。同じ日に、Instagramのクリエイター向け公式アカウント@creatorsは、動画編集アプリ「Edits」の新機能を発表した。音声へのリンク、スタイルを保存する「Kits」、50種類の新しいエフェクトなどだ。さらに、他人のリールを見ながら撮影できる「参照リール(Use as reference)」もリールに加わった。
終了まで、今日(10月22日)から6日しかない。「第1話」「第2話」とリールをつなぐ連載企画を持つ事務所やブランドは、今週のうちに移行先を決める必要がある。注意したいのは、終了日の根拠が報道である点だ。Instagramが日付を明記した公式発表は、本稿では確認できなかった(10月22日時点)。すでにつないだシリーズが終了後も残るのかどうかも、分かっていない。参照リールは、iOS版のみで、90秒未満のリールが対象という条件がつく。
本稿では、公式アカウントの投稿と報道を突き合わせ、確かめられる事実と書かれていないことを分ける。そのうえで、10月28日までに確認しておくこと(既存シリーズの記録、告知、組み直し)と、参照リールをUGCやアンバサダーの企画に使うときの注意点を整理する。最後に、9月に「Shortsシリーズ」を始めたYouTubeと並べ、どの更新から手を付けるかの優先順位を示す。
何が発表され、何が報じられたか──公式投稿と報道を突き合わせる
今回の変更は、出どころが2つに分かれている。Editsの新機能と参照リールは、Instagramの公式アカウント@creatorsがThreadsで発表した。一方、シリーズ連結の終了は、Haberman氏の投稿とそれを伝えたSocial Media Todayの記事が情報源で、Instagramの公式発表ではない。日付に沿って動く前に、どの情報が誰の発表に基づくのかを分けておきたい。項目ごとに整理した。
| 項目 | 内容 | 条件 | 出典 |
|---|---|---|---|
| シリーズ連結の終了 | リールをつなぐ機能が10月28日から使えなくなる。理由は「リールの視聴体験をシンプルにするため」 | 既存シリーズの扱いは書かれていない | Haberman氏の投稿、Social Media Today(報道) |
| 参照リール | 他人のリールを、撮影画面の小さな窓に映しながら撮影できる。窓は動かせ、一時停止や再生もできる。Social Media Todayによれば、合わせて撮るためのカウントダウンもある | 90秒未満のリールが対象。iOS版のみ | @creators、Social Media Today |
| 音声リンク(Edits) | リールで使った曲や音源に、タップできるリンクを付けられる | 記載なし | @creators、Social Media Today |
| トピックの分析(Edits) | フォロワーが関心を持つトピックが分かる | Social Media Todayによれば、現時点ではフォロワー1万人超のクリエイターのみ | @creators、Social Media Today |
| Kits(Edits) | よく使う見た目のスタイルを保存し、あとで使い回せる | 記載なし | @creators、Social Media Today |
| 新しいエフェクト(Edits) | 50種類。出入りの動きのライブラリを含む | 記載なし | @creators |
参照リールの使い方は、90秒未満のリールを開き、右上の「…」メニューから「Use as reference」を選ぶ。@creatorsの説明では、リールは撮影画面の小さな窓で再生され、録画の前に位置を動かしたり、止めたり、もう一度再生したりできる。どの国で使えるかは、どちらの情報源にも書かれていない。Edits自体は、日本のApp Storeにも「Edits: ビデオ編集者」として掲載されている。ただし、今回の新機能が日本でいつ使えるようになるかは発表されていない(10月22日時点)。手元の端末で表示されるかどうかを、まず確かめるのが確実だ。
シリーズ連結とは何だったか──導入から約1年2か月での終了
シリーズ連結は、2025年8月に始まった比較的新しい機能だ。TechCrunchは2025年8月21日、Instagramがリールを複数つないでシリーズにできるようにしたと報じた。投稿時にキャプションを書く画面から、あるいは投稿済みのリールの「…」メニューから、次のリールをつなぐ。視聴者は、リールの左下に出るボタンをタップすれば、次の回に移れる。Instagramは当時、要望の多かった機能だとし、続きものの物語や、季節のレシピのような同じテーマの動画をまとめる使い方を挙げていた。
この機能は、連載型の企画と相性がよかった。「続きは次の動画で」と告知しても、視聴者がプロフィールから次の回を探す手間はなくならない。シリーズ連結は、その手間をボタン1つで省いた。それが1年2か月ほどで終わる。Haberman氏の投稿によれば、Instagramはコンテンツをつなぐ新しい方法をいくつか試しており、今回の終了は、その整理の一部だという。
代わりになりそうな機能は、すでにEditsにある。インドの業界メディアSocial Samosaは2026年1月16日、Editsで作るクリップの中に、ほかのリールやクリエイターのアカウントへのリンクを入れられるようになったと報じた。外部サイトへのリンクには対応しない。Editsで編集してInstagramに投稿すると、リンクが表示される仕組みだ。編集の段階でリンクを埋め込むため、投稿後に「…」メニューからつなぐシリーズ連結とは手順が違う。Instagramがリンクの機能をEditsの側に寄せている流れとも読める。ただし、シリーズ連結の後継だとInstagramが説明しているわけではない。
10月28日までに確認すること──記録、告知、組み直し
終了まで1週間を切ったいま、急いで新しい企画を作る必要はない。先にやるべきなのは、いまあるシリーズの「つながり」を記録しておくことだ。終了後に既存のリンクが残るかどうかは分かっていない。残らなかった場合、どのリールがどの順でつながっていたかは、投稿の画面からは追えなくなる。複数のクリエイターやブランドのアカウントを担当している事務所ほど、担当者ごとの記憶に頼ると漏れが出る。
確かめる順番は、次のとおりだ。
- シリーズ連結を使っているアカウントと企画を洗い出し、各回のURLとつながりの順番を一覧に残す
- 各回のキャプションやカバー画像に「第○話」の表記があるかを見直す。リンクが消えても順番が分かる状態にする
- 第1話をプロフィールに固定するか、ストーリーズのハイライトに入口を置くなど、シリーズの入口を決める
- ブランド案件の契約や企画書に「シリーズでつなぐ」と書かれていないかを確かめ、書かれていれば代わりの方法を先方と合意する
- Editsの内部リンクが自社の端末とアカウントで使えるかを試し、次の回へ誘導する方法として使えるかを判断する
- 10月28日以降に、既存シリーズのボタンが残っているかを実際に開いて確認する
なかでも見落としやすいのが、ブランド案件の取り決めだ。連載型のタイアップでは「全3回をシリーズでつなぎ、視聴者を次の回に誘導する」といった設計で合意していることがある。機能の終了は、クリエイターや事務所の落ち度ではない。だが、成果の報告の時期に「ボタンが消えていた」と分かれば、説明の負担は大きくなる。終了の前に、先方の担当者に一言伝え、代わりの導線を決めておくほうが話は早い。視聴者への告知は、終了の日付が公式に確定していない以上、「次の回はプロフィールの固定投稿から」など、日付に依存しない書き方にしておくのが無難だ。
参照リールをUGC・アンバサダー企画にどう使うか
シリーズ連結がなくなる一方で、参照リールは「つなぐ」とは別の形で、投稿どうしの関係を作る機能だ。元のリールを撮影画面に映しながら撮れるため、振り付け、口の動きの同期、手順の再現、同じ構図での撮り比べがしやすくなる。ブランドや事務所が「お手本」になるリールを1本出し、ファンやアンバサダーがそれを見ながら自分の版を撮る。UGCを集める企画の設計に、そのまま使える仕組みだ。使い方の例と、そのときの注意点を整理した。
| 使い方の例 | お手本になるリール | 注意すること |
|---|---|---|
| ダンス・振り付けの企画 | ブランドや所属クリエイターが踊る、90秒未満の見本 | 使う楽曲が、参加者のリールでも使える音源かを確かめる。Editsの音声リンクで、元の曲に誘導できる |
| 商品の使い方の再現 | メイクや料理など、手順を見せるリール | 参加者の投稿に効能や効果の表現が入りやすい。ブランドが依頼した投稿ならPR表示が要る |
| アンバサダーの統一フォーマット | 構図や尺をそろえた「型」のリール | 同じ構図の投稿がそろう。複数のアンバサダーの投稿を並べて見せやすい |
| リアクション・応答の企画 | 問いかけやチャレンジを出すリール | 元のリールが他人のものなら、使ってよいかを確かめる。公式の説明では、元のリールの投稿者の許可は必要とされていない |
条件の面では、iOS版のみという制約が大きい。Android端末を使う参加者は、いまのところこの機能を使えない。参加者を広く募る企画で参照リールを前提にすると、一部の人が参加しづらくなる。企画の案内では「iPhoneなら参照リールで撮れる」と補足するにとどめ、なくても参加できる設計にしておきたい。お手本のリールは、90秒未満に収める必要がある。長めの解説動画をお手本にしたいなら、要点を切り出した短い版を別に作ることになる。
権利の扱いにも目を向けておきたい。@creatorsの説明では、参照リールは撮影画面の小さな窓に映るもので、元のリールが投稿に含まれるとは書かれていない。それでも、ブランドが集めたUGCを広告や自社サイトで使うなら、投稿者の許諾が必要になる点は変わらない。許諾の範囲の決め方は、二次利用込みのPR案件で決めるべき7項目の記事で整理した。集めた投稿を自社のアカウントでどう見せるかは、タグ付けされた投稿をグリッドに置ける機能の記事が参考になる。
運用の優先順位──YouTubeは「シリーズ」を足し、Instagramは外す
今回の変更を、ほかのプラットフォームと並べると、方向の違いがはっきりする。YouTubeは2026年9月23日、Shortsを「シーズン」と「エピソード」に整理できる「Shortsシリーズ」の提供を始めた。カスタムのサムネイルと続けての再生に対応し、Web、モバイル、テレビで展開する。TechCrunchによれば、対象はYouTubeパートナープログラムに参加するクリエイターだ。YouTubeは公式ブログで、2026年上半期にマイクロドラマの再生数が65億回を超え、総再生時間が前年同期比で50%以上伸びたとしている。
同じ時期に、YouTubeは短尺動画を連載としてまとめる仕組みを足し、Instagramはそれを外す。ただし、Instagramが長尺に背を向けているわけではない。Social Media Todayによれば、Instagramのプロダクト担当副社長Tessa Lyons氏は2026年5月、長尺のコンテンツが計画の重要な部分だと話した。今回の終了は、その整理の途中とも読める。とはいえ、次の仕組みはまだ発表されていない。いま連載を組むなら、YouTubeには公式の器があり、Instagramには器がない。この差を踏まえて、今週からの手当てに優先順位を付けた。
| 優先度 | やること | 理由 |
|---|---|---|
| 今週(10月28日まで) | Instagramの既存シリーズの記録、ブランド案件の取り決めの確認、入口の決め直し | 期限があり、終了後は元に戻せない可能性がある |
| 11月中 | 参照リールを使ったUGC・アンバサダー企画を1本試す。Editsの音声リンクとKitsで、参加者がそろえやすい型を作る | iOS限定などの条件があり、まずは小さく試して反応を見る段階 |
| 年内 | 連載型の企画の主な置き場所を見直す。話数の多い連載はYouTubeのShortsシリーズを軸にし、Instagramは入口と告知に使う | YouTubeには連載を束ねる公式の機能がある。Instagramの代わりの仕組みは未発表 |
| 様子見 | Editsのトピック分析 | 現時点ではフォロワー1万人超が対象で、使えるアカウントが限られる |
YouTubeの今秋の更新全体はMade on YouTube 2026の記事で取り上げた。ショートドラマを事務所が自ら作る動きは、TikTokとMade By Usの共同制作の記事で扱っている。Editsという道具そのものの位置づけは、EditsとCapCutの比較記事が参考になる。Instagramは、投稿済みのリールの楽曲を差し替えられる機能(Replace Audioの記事)のように、機能の追加と整理を短い間隔で繰り返している。特定の機能に企画の土台を預けすぎず、機能がなくなっても話数と入口が分かる形にしておくことが、連載企画を続けるうえでの基本になる。
本記事は、株式会社TORIHADAが運営するクリエイターエコノミー専門メディア「CREATORS POST」がお届けしました。最新のマーケティング・クリエイター動向を、実務目線で発信しています。
この記事はAIを活用して書いています。



