YouTubeは2026年10月22日、ホーム画面上部の「トピックチップ」を、視聴者が文章で作る保存型のフィード「Custom Feeds(カスタムフィード)」に置き換え始めた。YouTubeの公式アカウント@UpdatesFromYTがXで告知した。米国のDigital Trendsによれば、対象は米国で英語の設定を使う、ログイン済みの13歳以上の視聴者だ。保存できるフィードは通常3本、YouTube Premiumの会員は8本まで。モバイルでは、ホーム上部のバーを簡素にして登録チャンネルにすぐ移れるようにするテストも始まった。公式ポストは、Custom Feedsを「キーワードだけにとどまらない、あなた専用の保存された検索」と説明している。
視聴者は「通勤中に聞ける短めの解説」のように、見たいものを文章で指定する。どの動画がホームに出るかは、これまで以上に視聴者の言葉で決まるようになる。公式ヘルプによれば、Custom Feedsからの視聴も、ホームフィードと同じように総再生時間と収益に数えられる。一方、日本での提供は発表されていない(10月24日時点)。日本語版のヘルプも、提供を「米国で英語でのみ」としている。
本稿では、5月の試験版から今回の展開までを、公式ヘルプ、公式ブログ、報道で時系列に並べる。そのなかで、「1アカウント1フィード」と「3〜8本」という食い違いが、どこから生まれたのかを整理する。そのうえで、フィードの指示文に拾われやすいタイトルと説明文の書き換え例と、事務所・ブランドが日本での提供の前に点検しておくことを示す。
何が変わったか──公式ポスト、ヘルプ、報道を突き合わせる
今回の変更には、ホームの2か所が関わる。1つは、上部に並んでいたトピックチップがCustom Feedsに置き換わること。もう1つは、モバイルのホームで上部のバーを簡素にするテストだ。前者は対象者に向けて展開が始まっており、後者はテスト段階にある。情報源ごとに書かれている内容が少しずつ違うため、項目ごとに並べた。
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| トピックチップの置き換え | 対象のユーザーで、既存のトピックチップがCustom Feedsに置き換わる | Digital Trends(公式ポストを引用) |
| 作り方 | ホームの上部からCustom Feedを選び、指示文(プロンプト)を入力するか、表示された候補を選ぶ。指示文はコミュニティガイドラインに従う必要がある | 公式ヘルプ |
| 上限 | 通常は一度に3本まで、Premiumの会員は8本まで | 公式ヘルプ、Digital Trends |
| 失効 | 30日間使わないと指示文が失効し、そのフィードは使えなくなる | 公式ヘルプ |
| 対象 | 米国、端末の言語が英語、ログイン済み、視聴履歴と検索履歴がオン。タブレットは対象外。13歳以上という条件はDigital Trendsが報じている | 公式ヘルプ、Digital Trends |
| 公開範囲 | フィードはアカウントごとの非公開で、ほかの視聴者は見られない | 公式ヘルプ |
| 通常のおすすめへの影響 | Custom Feedsで見た動画は通常の視聴履歴に入り、ホームのおすすめに影響することがある | 公式ヘルプ |
| 収益 | Custom Feedsからの視聴も、クリエイターの総再生時間と収益に数えられる | 公式ヘルプ |
| モバイル上部バーのテスト | 登録チャンネル、ライブ、音楽、Custom Feedsをバーに並べる。映画とテレビの項目は、有料の契約がある視聴者に表示される | Digital Trends、公式ポスト |
YouTubeが例に挙げた指示文を見ると、どんな言葉が入力されるかの見当がつく。ヘルプの例は「Morning Yoga(朝のヨガ)」だ。9月23日の公式ブログは、「長めのドキュメンタリーで夜にくつろぐ」「新しいDIYクリエイター」を挙げている。ブログによれば、Custom Feedsは「特定の気分、習慣、最近の関心」のための専用タブだ。ジャンル名だけでなく、見る時間帯、見る理由、動画の長さ、まだ知らない作り手を探したいという意図まで、指示文に入りうることになる。フィードは開くたびに更新される。ヘルプによれば、更新すると一部の動画は入れ替わり、一部はそのまま残る。
「1フィード」と「3〜8本」の食い違いはどこから来たか
Custom Feedsの上限については、これまで「1アカウントに1本」と「最大8本」という2つの情報が出回っていた。本稿で確かめたかぎり、これは誤報というより、機能が段階を追って変わってきたことによるずれだ。試験の段階ごとに、ヘルプと報道の書いている内容が変わっている。時系列に並べると、次のようになる。
| 時期 | 段階 | 上限・条件 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 2026年5月27日 | 試験版の発表。米国・英語でモバイルとデスクトップ | 1アカウントで同時に1本。30日使わないと失効 | PPC Land |
| 2026年8月25日 | 複数フィードの試験。米国のAndroid、iOS、デスクトップ | 1人あたり最大8本。モバイルアプリではトピックチップを置き換える | Social Media Today |
| 2026年9月23日 | Made on YouTubeでの発表 | 複数のフィードを保存できる。米国でWeb、モバイル、テレビに「近く」提供 | 公式ブログ |
| 2026年10月22日 | トピックチップの置き換えを開始 | 通常3本、Premiumは8本。30日使わないと失効 | 公式ポスト、公式ヘルプ、Digital Trends |
「1本」は5月の試験版の仕様で、当時のヘルプをもとにした報道が今も検索で見つかる。8月の「最大8本」は、Premiumを区別していなかった試験段階の数字だ。10月24日時点のヘルプは英語版、日本語版とも「通常3本、Premium 8本」と書いており、Digital Trendsの報道と一致する。上限と失効の条件は、現行のヘルプを基準にしてよいだろう。
確定していないこともある。1つ目は、テレビでの提供だ。9月のブログはテレビを挙げていたが、今回の報道はモバイルとデスクトップの話で、ヘルプにもテレビの記載はない。2つ目は、デスクトップでトピックチップがすべて置き換わるかどうか。8月の報道は置き換えをモバイルアプリの話としていた。3つ目は、フィードを削除する手順で、ヘルプには書かれていない。4つ目は、モバイル上部バーの新しい形が正式に採用されるかどうかだ。最後に、クリエイターにとって最も知りたい点がある。Custom Feedsからの視聴を、YouTube Studioのトラフィックソースで区別できるのか。本稿で確認した資料には、その記載はなかった。
おすすめ任せから「指示文で選ばれる」へ──何が変わるのか
これまでのホームは、視聴履歴をもとにYouTubeが選んだ動画を並べる場所だった。トピックチップは、その中から「ゲーム」「料理」といった大まかな話題で絞り込む道具だった。Custom Feedsでは、視聴者が先に文脈を言葉で指定し、YouTubeがそれに合う動画を探す。ホームが、検索とおすすめの中間のような場所になる。公式ポストが「保存された検索」と呼ぶのは、この性格を指している。
ただし、Custom Feedsが動画をどう選ぶのかは公開されていない。ヘルプが説明しているのは、指示文をもとにおすすめを作ること、履歴の設定が必要なこと、視聴が通常の履歴に入ることまでだ。そこで手がかりになるのが、YouTubeが公開している検索の仕組みの説明だ。検索では、関連性、エンゲージメント、品質の3つが重視される。関連性は「タイトル、タグ、説明文、動画の内容が、検索語にどれだけ合っているか」などで判断される。Custom Feedsが「保存された検索」である以上、同じ考え方がある程度あてはまると考えるのが自然だ。ただし、これは本稿の推測であって、YouTubeが説明したことではない。
変わるのは、照合される言葉の種類だ。検索窓に打たれるのは「秋メイク プチプラ」のような名詞の並びが多い。一方、Custom Feedsの例に挙がっているのは「夜にくつろぐ」「朝の」「長めの」「新しい作り手」といった、時間帯や気分、長さ、新しさを表す言葉だ。TikTokの検索が話し言葉のキーワードを評価するようになった流れは、TikTok検索の記事で取り上げた。YouTubeのホームでも、動画が「どんな場面で、誰のために見るものか」を言葉で示しておくことが、これまで以上に意味を持つようになる。
タイトル・説明文・チャプターの書き換え例
指示文に合わせてメタデータを書き換えるといっても、タイトルを長い文にしたり、説明文に言葉を詰め込んだりする必要はない。YouTubeのヘルプが挙げる例を見ると、指示文はおおむね4つの要素でできている。どの場面や時間帯に見るか、どんな形式か、どのくらいの長さか、誰向けか、だ。この4つのうち、いまのタイトルと説明文の冒頭で伝わっていないものを足すのが、書き換えの基本になる。次の例は、本稿が想定で作ったものだ。効果を検証した数字ではない。
| 想定する指示文 | 書き換え前 | 書き換え後 | 足した要素 |
|---|---|---|---|
| 朝の支度中に見られる短いメイク | 【新作】秋の限定パレット全色レビュー | 朝5分で仕上げる秋メイク|限定パレット全色を一重まぶたで試す | 時間帯、長さ、誰向けか |
| 夜にのんびり見られる料理の動画 | 簡単!ワンパン鶏むね肉レシピ | 仕事帰りの夜に作るワンパン鶏むね定食|洗い物ひとつ・調理20分 | 場面、時間帯、長さ |
| 新しいゲーム実況者を見つけたい | 【実況】〇〇 part12 | 初見で挑む〇〇実況 第12回|前回までの流れは冒頭1分で | 形式、途中から見る人向けの配慮 |
| (英語)long documentaries to wind down in the evening | Tokyo Craft Beer Tour | A slow evening walk through Tokyo’s craft beer bars | 40-min documentary | 時間帯、形式、長さ(英語) |
説明文は、冒頭の2〜3行に同じ4つの要素を文章で書いておく。「平日の朝、出勤前の5分で仕上げたい人向けに、限定パレットの全色を一重まぶたで試した」のように、誰が、いつ、何のために見るのかが1文で分かる形だ。ハッシュタグや関連語を並べるより、文として読めるほうが、視聴者にも伝わりやすい。タグは関連性の判断材料の1つとされているが、同じ語を詰め込む意味はない。表の最後の例のように英語で書く理由は、次の節で説明する。
長い動画では、チャプターも手がかりになる。ヘルプによれば、説明文にタイムスタンプを書いてチャプターを付けるときは、最初を00:00から始め、昇順で3つ以上並べる。各チャプターは10秒以上必要だ。チャプター名を「パート1」のような番号ではなく、「下地」「アイシャドウ」「崩れ対策」のように中身を表す言葉にしておけば、指示文と照らし合わせられる材料が増える。自動チャプターをそのまま使っている場合は、名前が中身を表しているかを確かめておきたい。
日本での提供の前に点検すること
Custom Feedsは、現時点では米国の英語設定に限られる。日本語のチャンネルにすぐ影響が出る段階ではない。ただし、例外が2つある。1つは、英語圏の視聴者を狙う日本発のチャンネルだ。アニメ、ゲーム、コスメ、観光など、英語のタイトルや字幕で米国の視聴者に届けているチャンネルは、すでに対象の視聴者がいる。もう1つは、過去の動画だ。日本で提供が始まれば、過去の動画も指示文と照合される。数百本の動画を持つチャンネルが説明文を見直すには時間がかかるため、提供の前に手を付けておく意味がある。点検する順番は、次のとおりだ。
- 再生の多い上位の動画と定番の企画について、タイトルと説明文の冒頭に「場面・形式・長さ・誰向けか」が入っているかを確かめる
- 英語圏に向けた動画は、英語のタイトルと説明文があるか、自動翻訳に任せきりになっていないかを確かめる
- 10分を超える動画に、中身を表す名前のチャプターがあるかを確かめる
- ブランドの案件動画は、説明文の冒頭がPR表示と商品名だけで終わっていないかを見直す。誰のどんな場面に向けた動画かを1文で添える
- 米国の視聴者が多いチャンネルは、YouTube Studioでホームからの流入の推移を記録しておく。トピックチップの置き換えの前後で比べられるようにする
ブランド案件では、説明文を誰が書くかを決めておきたい。商品の正式名や表示の決まりはブランドが、視聴の場面を表す言葉はクリエイターが詳しい。案件の構成案に、説明文の冒頭1文の案を入れておけば、公開の直前にもめずに済む。ホームの流入を見るときは、指標の数え方にも注意がいる。YouTubeは8月に再生回数の数え方を全フォーマットでそろえており、その中身は再生数の定義変更の記事で整理した。期間をまたいで比べるときは、定義が変わった時期も考える必要がある。
今秋の更新の中で、どこから手を付けるか
YouTubeは今秋、短い間隔で仕組みを変えている。10月1日にはShortsのおすすめで、オリジナルの動画を優先する変更を入れた(Shortsの「オリジナル優先」の記事)。9月のMade on YouTubeでは、AIでの制作支援やShortsシリーズなどを発表した(Made on YouTube 2026の記事)。Custom Feedsは、作る側ではなく見る側の道具だ。だが、何が表示されるかを左右するという意味では、運用への影響は小さくない。
優先順位をつけるなら、まず英語圏向けのチャンネルで、上位の動画のタイトルと説明文を見直す。対象の視聴者がすでにいるからだ。日本語のチャンネルは、新しく公開する動画から4つの要素を書く習慣を付け、過去の動画は再生の多いものから順に直していけばよい。日本での提供時期が発表されたら、その時点で点検の範囲を広げる。Googleは検索広告でも、視聴者の個人の文脈に合わせる方向に進んでいる(AIモード広告の記事)。視聴者が言葉で文脈を伝え、プラットフォームがそれに合わせて選ぶ流れは、YouTubeのホームに限らない。動画が「誰の、どんな場面のためのものか」を言葉で示しておくことは、どの仕組みに変わっても役に立つ。
本記事は、株式会社TORIHADAが運営するクリエイターエコノミー専門メディア「CREATORS POST」がお届けしました。最新のマーケティング・クリエイター動向を、実務目線で発信しています。
この記事はAIを活用して書いています。



